ソダシは芦毛?白毛?見分け方とシラユキヒメ一族の系譜
白毛馬とは、肌がピンク色で生まれつき毛が白い競走馬のこと。突然変異で生まれる確率は約0.04%(10,000頭に4頭)と非常に稀で、1996年に約1,500頭のサンデーサイレンス産駒で唯一の白毛馬として誕生したシラユキヒメから、現代日本の白毛一族はすべてこの1頭の血を引きます。
ソダシ(阪神JF・桜花賞・ヴィクトリアマイルでG1 3勝)、ハヤヤッコ(レパードS・函館記念・アルゼンチン共和国杯で重賞3勝)、ホワイトベッセル、白毛初の重賞制覇を成し遂げたユキチャン(関東オークス)、ブチコ、ソダシの全妹で鹿毛ながらG1を制したママコチャ(2023年スプリンターズS)まで連なる白毛系譜は、年齢で色が変わる「芦毛」とは遺伝学的に別物です。
本記事では、シラユキヒメから現役世代までの白毛一族の系譜と、白毛と芦毛の違いを解説します。
白い馬を見て「あれは芦毛か、それとも白毛か」で迷うのは、競馬を長く見ているファンでも珍しくありません。
ポイントは肌の色。
下の表で5つの軸を並べると、違いがはっきりします。
※本記事のデータは編集部による独自集計です。
| 見分けポイント | 白毛 | 芦毛 |
|---|---|---|
| 肌の色 | ピンク | 黒 |
| 生まれたときの毛色 | 白い毛 | 黒・栗・鹿毛など |
| 年齢で色が変わるか | 変わらない | 4〜6歳でほぼ白に(個体差あり) |
| 両親に同じ毛色が必要か | 必要ない(突然変異) | 必ず片方が芦毛 |
| 代表馬 | ソダシ・ハヤヤッコ・ユキチャン | オグリキャップ・タマモクロス・ゴールドシップ |
白毛は肌がピンク色で、生まれたときから白い毛のまま生涯を終えます。
一方、芦毛は黒や栗、鹿毛として生まれ、年齢を重ねるうちに毛が白く脱色されていく毛色です。
4〜6歳になるころには遠目には白毛と区別がつかなくなる馬も少なくありません(個体差はあります)。
ただ、肌の色だけは生涯変わらないため、近くで見れば判別できます。
遺伝の仕組みから見ても、白毛と芦毛は別物です。
芦毛は両親のどちらかが必ず芦毛で、世代を継いで受け渡されてきました。タマモクロスもオグリキャップも、両親や祖先に芦毛がいます。
これに対して白毛は、両親に白毛がいなくても突然変異で生まれます。
シラユキヒメも、約1,500頭いたサンデーサイレンス産駒の中でたった1頭の白毛でした。
また、肖像権・パブリシティ権に配慮し、特定の人物に類似させるための学習データ使用やプロンプト調整等はおこなっておりません。
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シラユキヒメは1996年4月4日、青鹿毛の父サンデーサイレンスと鹿毛の母ウェイブウインドとの間に白毛馬として誕生しました。
ウェイブウインドは生涯で6頭の仔を生みましたが、白毛はシラユキヒメだけ。たまたまここに白毛が出た、というほかにありません。
白毛馬として注目を浴びたシラユキヒメは、デビュー前から話題一色でした。
ところがJRAで9戦するも勝ち星を上げられず、競走馬としては引退。
その後、サンデーサイレンスの血を引く白毛馬として繁殖牝馬入り。ここから白毛一族の歴史が動き始めます。
シラユキヒメは、2002年から繁殖牝馬として北海道のノーザンファームで繋養され、2019年5月に亡くなるまで計12頭の仔を生みました。
そのうち、白毛馬として誕生したのは10頭です。
前述のメンデルの法則によると毛色が遺伝する確率は50%ですので、シラユキヒメは80%超という高い確率で白毛の仔を生んだことになります。
第1仔は、ブラックホークを父に持つ牡馬でシロクンと名付けられました。しかし、5戦未勝利で現役生活を終え、乗馬となり余生を過ごしています。
次にクロフネとの間に誕生した第2仔の牡馬ホワイトベッセルが、白毛馬として念願のJRA初勝利を挙げます。通算成績は17戦3勝、現在は誘導馬として活躍中です。
さらに同じくクロフネとの間に生まれた第3仔の牝馬ユキチャンが、2008年の関東オークス(Jpn2)を勝利し、白毛馬として初重賞制覇を成し遂げます。
現在、ユキチャンはすでに繁殖入りし、その主な子供たちは、ドレフォン産駒のハイアムズビーチが2勝クラス、ヘニーヒューズ産駒のアマンテビアンコがオープンクラスで実績を残しています。
ユキチャンからも大物が誕生することに期待したいですね。
なお、白毛馬ではないですが、2022年の京王杯スプリングカップ(G2)など、重賞を6勝している鹿毛のメイケイエールは、ユキチャンの第2仔であるシロインジャーの娘になりますので、毛色は異なりますが白毛一族です。
そして、シラユキヒメの第4仔となるママズディッシュは父のクロフネに似たのか芦毛馬として生まれ、10戦0勝で繁殖入り。
次にキングカメハメハとの間に生まれた第5仔の牡馬は、競走馬としては登録されていませんので、詳細は不明です。
第6仔のマシュマロは、父にクロフネを持ち、現役時代は12戦2勝と大きな活躍はできませんでした。
しかし、繁殖牝馬としては、初仔となるハヤヤッコが2019年のダート重賞であるレパードステークス(G3)と2022年の芝の重賞・函館記念(G3)と芝・ダート両方の重賞を制し、現在でも現役競走馬としてターフを駆け抜けています。
続く第7仔の牝馬ブラマンジェも父にクロフネを持ち、2012年にデビューするも3戦未勝利のまま繁殖入りし、現在3勝クラスで活躍するダノンハーロックを生みました。
この先の産駒にも期待が持てそうです。
第8仔のマーブルケーキは父がキングカメハメハで現役時代は24戦3勝の成績を残し繁殖入りしていますが、ここまで目立った産駒は生んでいません。
そして、第9仔として生まれたのが、父にキングカメハメハを持つブチコです。
馬名の由来は、白毛ながら鹿毛の斑が胴体に見られた更に珍しい毛色だったため、ブチコと名付けられたそうです。
そのブチコは、JRAで4勝を挙げるも重賞には手が届きませんでした。その後、現役を引退し繁殖入りし、2018年にクロフネとの間にソダシを生むことになります。
ソダシの血統を改めて確認すると、父はクロフネ、母ブチコ、その父はキングカメハメハで母はシラユキヒメ、そして祖母の父がサンデーサイレンスです。
血統だけを見れば、現在の日本競馬界を代表する血がぎっしりとつまっていますね。
ソダシは、2020年に函館競馬場でデビュー。そこから札幌2歳ステークス(G3)、アルテミスステークス(G3)、そして、阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)と4連勝で2歳牝馬女王に輝きます。
前述のとおり、これが白毛馬として世界初となるG1制覇となりました。
その後、ソダシは翌年の桜花賞(G1)も勝利し、古馬となってからもヴィクトリアマイル(G1)を制するなど、G1通算3勝という大活躍をみせ、2023年に現役を引退しました。
今後は、繁殖牝馬として、シラユキヒメから続く4代、5代と系譜を築き上げることに期待したいです。
そして、白毛ではないですが、ソダシの全妹にあたるママコチャが2023年のスプリンターズステークス(G1)を制したことで母としてブチコは名牝入りしたといっても過言ではありません。
次に第10仔のシロニイは父にキングカメハメハを持つ牡馬です。
現役時代では、重賞を勝つことはできませんでしたが、2021年の天皇賞・春(G1)に出走するなど、息の長い活躍をみせました。
現在では、阪神競馬場の誘導馬として、その美しい馬体を現役とは違った形でファンにお披露目しています。
さらに2015年にキングカメハメハとの間に生まれた第11仔の牡馬は競走馬登録がされていません。
そして、シラユキヒメ最後の仔となる第12仔のブッチーニも父にキングカメハメハを持つ牝馬で、姉のブチコと同じく白毛に鹿毛斑があります。
そのブッチーニも2023年6月のレースを最後に20戦3勝という成績を残して引退しました。
なお、引退年がソダシと同じになりますので、数年後には同い年の競走馬が誕生し、親戚同士で走り合う姿がみられるかも知れません。
また、肖像権・パブリシティ権に配慮し、特定の人物に類似させるための学習データ使用やプロンプトの調整等はおこなっておりません。
[使用ツール・モデル]
・DALL·E 3
・Firefly
・StableDiffusion
・Juggernaut XL(KandooAI)
今回は、白毛馬の祖先であるシラユキヒメから連なる白毛一族を紹介しました。
白毛馬は他馬と比べて目立つため、その都度、注目されることが1つの宿命かも知れません。
しかし、そんな中で美しい馬体を揺らしながらターフを走る姿に多くの競馬ファンに感動をもたらしてくれています。
そして、この先もシラユキヒメから続く白毛の血は、ソダシを始めとする多くの白毛馬たちが受け継いでいくでしょう。今後も白毛馬には注目し続けたいですね。
本記事の血統・成績データは以下の公的・準公的データソースで確認できます。
- JRA(日本中央競馬会) ─ 公式レース結果・賞金
- JBIS-Search ─ 血統・繁殖成績データベース
- netkeiba.com 競走馬DB ─ 個別馬の戦績検索