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芦毛とは?白毛との違い・見分け方とソダシら白毛一族の家系図

白毛と芦毛、白い馬には2種類ある


芦毛(あしげ)とは、黒や栗色などの濃い毛色で生まれ、年齢とともに全身が白くなっていく毛色のことです。オグリキャップやゴールドシップがその代表で、晩年にはほとんど白馬のような姿になります。

一方の白毛(しろげ)は、肌がピンク色で、生まれつき毛が白い毛色。突然変異で生まれる確率は約0.04%(10,000頭に4頭)と非常に稀で、G1を3勝したソダシはこちらに当たります。現代日本の白毛一族は、1996年に約1,500頭のサンデーサイレンス産駒で唯一の白毛馬として誕生したシラユキヒメから、すべてこの1頭の血を引きます。

そのソダシは2023年に引退し、2025年には母になりました。2024年には同じ一族のアマンテビアンコが大井の羽田盃(Jpn1)を制し、ソダシの妹ママコチャや弟カルパは今も現役です。

30年前にたった1頭で始まった突然変異は、いまでは数えるのに表が要る大所帯になりました。

目次

白毛と芦毛の違い・見分け方


白い馬を見て「あれは芦毛か、それとも白毛か」で迷うのは、競馬を長く見ているファンでも珍しくありません。
ポイントは肌の色。
下の表で5つの軸を並べると、違いがはっきりします。
※本記事のデータは編集部による独自集計です。

見分けポイント白毛芦毛
肌の色ピンク
生まれたときの毛色白い毛黒・栗・鹿毛など
年齢で色が変わるか変わらない4〜6歳でほぼ白に(個体差あり)
両親に同じ毛色が必要か必要ない(突然変異)必ず片方が芦毛
代表馬ソダシ・ハヤヤッコ・ユキチャンオグリキャップ・タマモクロス・ゴールドシップ

白毛は肌がピンク色で、生まれたときから白い毛のまま生涯を終えます。
一方、芦毛は黒や栗、鹿毛として生まれ、年齢を重ねるうちに毛が白く脱色されていく毛色です。あの白いオグリキャップも、生まれたときは濃い毛色でした。
4〜6歳になるころには、遠目には白毛と見分けがつかなくなります(個体差はあります)。
ただ、肌の色だけは生涯変わらないため、近くで見れば判別できます。

遺伝の仕組みから見ても、白毛と芦毛は別物です。
芦毛は両親のどちらかが必ず芦毛で、世代を継いで受け渡されてきました。タマモクロスもオグリキャップも、両親や祖先に芦毛がいます。ソダシの父クロフネも芦毛ですから、ソダシは「芦毛の父と白毛の母系」から生まれた白毛、というややこしい出自になります。
これに対して白毛は、両親に白毛がいなくても突然変異で生まれます。
シラユキヒメも、約1,500頭いたサンデーサイレンス産駒の中でたった1頭の白毛でした。

芦毛馬と白毛馬のイラスト
ℹ AI生成
この画像・動画は、AIによって生成された架空のイメージであり、実在の人物・馬・団体等を描写したものではありません。
また、肖像権・パブリシティ権に配慮し、特定の人物に類似させるための学習データ使用やプロンプト調整等はおこなっておりません。

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シラユキヒメは1996年4月4日、青鹿毛の父サンデーサイレンスと鹿毛の母ウェイブウインドとの間に白毛馬として誕生しました。
ウェイブウインドは生涯で6頭の仔を生みましたが、白毛はシラユキヒメだけ。たまたまここに白毛が出た、というほかにありません。

白毛馬として注目を浴びたシラユキヒメは、デビュー前から話題一色でした。
ところがJRAで9戦するも勝ち星を上げられず、競走馬としては引退。
その後、サンデーサイレンスの血を引く白毛馬として繁殖牝馬入り。白毛一族は、この繁殖入りから始まりました。

シラユキヒメ一族の家系図


シラユキヒメは2002年から北海道のノーザンファームで繋養され、2019年5月に亡くなるまで計12頭の仔を生みました。
生まれた順に12頭を並べると、こうなります。

馬名生年毛色備考
第1仔シロクン2003ブラックホーク白毛5戦0勝。引退後は乗馬に
第2仔ホワイトベッセル2004クロフネ白毛白毛初のJRA勝利。17戦3勝
第3仔ユキチャン2005クロフネ白毛白毛初の重賞制覇。交流重賞3勝
第4仔ママズディッシュ2007クロフネ芦毛唯一の芦毛。10戦0勝
第5仔(牡馬)キングカメハメハ競走馬登録なし
第6仔マシュマロ2009クロフネ白毛12戦2勝。ハヤヤッコの母
第7仔ブラマンジェ2010クロフネ白毛3戦0勝。ダノンハーロックの母
第8仔マーブルケーキ2011キングカメハメハ白毛24戦3勝
第9仔ブチコ2012キングカメハメハ白毛JRA4勝。ソダシの母
第10仔シロニイ2014キングカメハメハ白毛天皇賞・春に出走。引退後は誘導馬に
第11仔(牡馬)2015キングカメハメハ競走馬登録なし
第12仔ブッチーニ2016キングカメハメハ白毛20戦3勝。ブチコと同じ鹿毛斑

競走馬登録された10頭のうち、白毛は実に9頭。登録されなかった2頭を含めても、12頭中10頭が白毛でした。
白毛の遺伝子は、父母のどちらかが持っていれば約50%の確率で仔に伝わるとされます。理論どおりなら半分のところ、シラユキヒメは80%超でした。

孫の代になると、活躍の場は一気に広がります。主な馬を母ごとに並べたのが次の表です。

馬名生年毛色主な実績
ソダシ2018ブチコクロフネ白毛G1 3勝を含む重賞6勝
ママコチャ2019ブチコクロフネ鹿毛スプリンターズSなど重賞2勝。現役
カルパ2021ブチコモーリス白毛2026年夏に特別戦勝ち。現役
スノーウィスパー2024ブチコニューイヤーズデイ白毛2026年6月デビュー
ハヤヤッコ2016マシュマロキングカメハメハ白毛白毛初のJRA重賞制覇など重賞3勝
アマンテビアンコ2021ユキチャンヘニーヒューズ白毛羽田盃(Jpn1)優勝
ハイアムズビーチ2019ユキチャンドレフォン白毛JRA3勝
シロインジャー2013ユキチャンハービンジャー白毛メイケイエールの母
メイケイエール2018シロインジャーミッキーアイル鹿毛重賞6勝
ダノンハーロック2018ブラマンジェルーラーシップ白毛JRA4勝

ひ孫の代には、2025年と2026年に生まれたソダシの2頭の仔が控えています(まだ競走馬登録前のため、表には入れていません)。

ユキチャンの一家、羽田盃を勝ったアマンテビアンコ


一族で最初にタイトルへ手が届いたのは、第3仔のユキチャンでした。
2008年の関東オークス(Jpn2)を制し、白毛馬として史上初の重賞制覇。さらに2009年のクイーン賞、2010年のTCK女王盃とダート交流重賞を3勝し、「砂の女王」として白毛の看板を最初に背負った存在です。

繁殖入り後も、この一家は層が厚くなりました。ドレフォン産駒のハイアムズビーチがJRAで3勝を挙げ、2021年にはヘニーヒューズ産駒のアマンテビアンコが生まれています。

2024年、地方と中央のダート3歳路線が「3歳ダート三冠」として再編され、大井の羽田盃は初年度からJpn1に格上げされました。その記念すべき第一冠を勝ったのが、ユキチャンの仔アマンテビアンコです。
川田将雅騎手を背に1番人気。泥だらけの不良馬場のなか、そこだけ照明が当たったように白い馬体が抜け出してきました。白毛馬によるダートG1級競走の制覇は、これが史上初です。
その後は2026年春のレースを最後に競走馬登録を抹消し、ノーザンホースパークで乗馬になる予定と報じられています。

もう1頭、忘れてはいけないのがメイケイエールです。
白毛のシロインジャー(ユキチャンの第2仔)から生まれた鹿毛の快速牝馬で、短距離を中心に重賞6勝。2024年春の高松宮記念を最後にターフを去りました。毛色こそ受け継ぎませんでしたが、一族の重賞勝ち数ではソダシと並ぶ稼ぎ頭です。
父は、こちらのコラムで扱ったミッキーアイルです。

マシュマロの一家、9歳まで走ったハヤヤッコ


現役成績12戦2勝と控えめだった第6仔のマシュマロは、母として一族一のタフな名物男を出しました。ハヤヤッコです。
2019年のレパードステークスを10番人気で勝ち、白毛馬によるJRA史上初の重賞制覇を達成。2022年には芝の函館記念、8歳だった2024年秋にはアルゼンチン共和国杯と、芝・ダートの両方で重賞3勝を積み上げました。

9歳を迎えた2025年6月、目黒記念のレース中に右前脚の腱を痛めて競走中止。そのまま引退となりましたが、現在はノーザンホースパークで功労馬として暮らしています。

ブチコの一家、ソダシと現役の弟妹たち


そして第9仔のブチコ。白毛の胴体に鹿毛の斑が浮かぶ珍しい毛色で、名前もそのブチ模様から付けられたそうです。
現役ではJRA4勝を挙げたものの重賞には手が届かず、引退して繁殖入り。2018年、クロフネとの間にソダシを生みます。

ソダシは2020年に函館でデビューすると、札幌2歳ステークス、アルテミスステークス、そして阪神ジュベナイルフィリーズと4連勝で2歳女王に。白毛馬として世界初のG1制覇でした。
翌2021年には桜花賞を勝ってクラシックの頂点に立ち、夏の札幌記念では古馬を相手に勝利。2022年のヴィクトリアマイルも制し、通算16戦7勝、重賞6勝(うちG1 3勝)という成績を残して2023年10月に引退しました。
祖母シラユキヒメは9戦未勝利、母ブチコは重賞に手が届かず。三代目での大爆発でした。

ブチコの仔はソダシだけではありません。
全妹のママコチャは鹿毛ながら、2023年のスプリンターズステークスを勝って姉妹G1制覇を達成。6歳になった2025年もオーシャンステークスを1番人気で勝ち、JBCスプリント(Jpn1)で1番人気2着と、スプリント界の第一線に居座り続けました。7歳の2026年も6月のさきたま杯(Jpn1)まで出走を重ねる、一族の現役最年長です。

白毛の半弟カルパ(父モーリス)は、2026年6月に小倉の特別戦を勝って現役続行中。さらに2024年生まれの白毛の半妹スノーウィスパーが、2026年6月に函館でデビューしました。母ブチコの仔が、姉の初陣と同じ函館の芝を走ったことになります。

母になったソダシ


引退したソダシは、ノーザンファームで繁殖牝馬としての生活に入りました。
2025年1月30日、父イクイノックスの牝馬を出産。2026年3月11日には、同じくイクイノックスとの間に第2仔の牡馬が生まれています。

注目された毛色は、初仔が黒鹿毛、第2仔が鹿毛。2頭とも白毛ではありませんでした。
白毛の遺伝子が仔に伝わる確率は約50%ですから、続けて裏側が出ただけです。それでも、白い仔馬の写真を半分あてにしていた身としては拍子抜けしました。
もっとも、シラユキヒメの「12頭中10頭が白毛」という数字も、12頭を生み終えてから振り返って出たものです。白い血が出るかどうかは、何年か分をまとめて数えないと形が見えません。

よくある質問


Q. 芦毛と白毛の違いは何ですか?
芦毛は生まれたときは黒や栗色で、年齢とともに白くなっていく毛色です。白毛は生まれつき白い毛色で、遺伝子の突然変異で生まれます。芦毛は老化で色が変わるのに対し、白毛は生まれた時点で白いのが最大の違いです。さらに白毛馬は肌がピンク色、芦毛は肌が黒という違いもあります。

Q. 白毛馬が生まれる確率はどのくらいですか?
突然変異で自然に白毛馬が生まれる確率は約0.04%とされ、10,000頭に4頭の計算です。ただし親のどちらかが白毛なら、メンデルの法則により約50%まで確率が上がります。現代日本の白毛一族の祖はシラユキヒメで、父サンデーサイレンスの1996年生まれの産駒約1,500頭のうち、白毛はこの1頭だけでした。

Q. シラユキヒメの白毛一族にはどんな代表馬がいますか?
G1 3勝のソダシ、2024年に羽田盃(Jpn1)を制したアマンテビアンコ、白毛初のJRA重賞制覇を含む重賞3勝のハヤヤッコ、白毛初の重賞制覇となった関東オークスなど交流重賞3勝のユキチャンが代表格です。鹿毛ながらスプリンターズステークスを勝ったソダシの全妹ママコチャ、重賞6勝のメイケイエールも同じ一族です。

Q. ソダシはG1を何勝しましたか?
3勝です。2020年12月の阪神ジュベナイルフィリーズ(白毛馬による世界で初めてのG1勝利)、2021年4月の桜花賞、2022年5月のヴィクトリアマイルを勝ちました。キャリア16戦で挙げた7勝のうち6つが重賞で、2023年10月の引退後は繁殖牝馬として過ごしています。

Q. ソダシの子供は白毛ですか?
2025年1月30日に初仔の牝馬、2026年3月11日に第2仔の牡馬が生まれました(いずれも父イクイノックス)。毛色は初仔が黒鹿毛、第2仔が鹿毛で、どちらも白毛ではありません。白毛の遺伝子が仔に伝わる確率は約50%のため、白毛が生まれるかは今後の出産に持ち越しです。

まとめ


ℹ AI生成
この画像・動画は、AIによって生成された架空のイメージであり、実在の人物・馬・団体等を描写したものではありません。
また、肖像権・パブリシティ権に配慮し、特定の人物に類似させるための学習データ使用やプロンプト調整等はおこなっておりません。

[使用ツール・モデル]
・DALL·E 3
・Firefly
・StableDiffusion
・Juggernaut XL(KandooAI)

シラユキヒメの誕生から30年。白い馬が毎年のように競馬場へ帰ってくること自体が、0.04%の偶然の続きです。2026年6月には函館の新馬戦にスノーウィスパーが出走して6着。勝てなくても、真っ白な2歳馬がゲートに入る夏がまた来ています。

早ければ2027年、ソダシの初仔も出走できる年齢に届きます。毛色は黒鹿毛。シラユキヒメから数えて四代目は、白くない体で最初のゲートに入ります。

シラユキヒメ一族の血統を追いかけて競馬の奥深さを感じたなら。
血統データとAI分析を組み合わせた予想サイトの検証記事もあわせてどうぞ。

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参考リンク


本記事の血統・成績データは以下の公的・準公的データソースで確認できます。