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秋古馬三冠とは?達成馬2頭・歴代挑戦馬の全成績とグランドスラム

秋古馬三冠とは


秋古馬三冠とは、天皇賞・秋/ジャパンカップ/有馬記念のG1 3レースを同一年に制覇した競走馬に与えられる称号です(正式名称ではなく通称)。3歳牡馬・牝馬三冠と違い、3歳以上の古馬なら引退するまで何度でも挑戦できる構成ですが、達成馬は日本競馬史上わずか2頭のみという難関のシリーズです。

なお、検索で「秋古場三冠」と表記されることもありますが、正しくは「秋古馬三冠」です(「古馬」は4歳以上のクラシック世代を終えた競走馬を指す競馬用語)。

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この画像・動画は、AIによって生成された架空のイメージであり、実在の人物・馬・団体等を描写したものではありません。
また、肖像権・パブリシティ権に配慮し、特定の人物に類似させるための学習データ使用やプロンプト調整等はおこなっておりません。

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達成馬はテイエムオペラオー(2000年)ゼンノロブロイ(2004年)の2頭のみ。テイエムオペラオーは2000年の8戦8勝・古馬中長距離G1グランドスラム(天皇賞春・宝塚記念・天皇賞秋・JC・有馬記念)という史上唯一の偉業を達成し、ゼンノロブロイは秋古馬三冠の3レースをすべて1番人気で制した上で有馬記念のレコードタイム2分29秒5まで記録しました。

2連勝で最終戦を迎えた(=王手をかけた)のは1999年のスペシャルウィークただ1頭で、有馬記念をグラスワンダーにハナ差で譲りました。1985年のシンボリルドルフも惜しく、天皇賞・秋を2着で落としたあとジャパンカップと有馬記念を連勝しています。順番が逆なら三冠でした。

ただし近年、この称号は「勝てない」のではなく「挑まれなくなった」という別の顔を見せはじめました。編集部で1986年以降の出走記録を数えたところ、天皇賞・秋の勝ち馬がその年のジャパンカップと有馬記念も走った最後の例は、2017年のキタサンブラック。以後8年間、3走そろえた勝ち馬は一頭もいません。
その一方で、2020年から2024年までは5年連続で「三冠のうち2つ」を勝つ馬が現れています(アーモンドアイ・エフフォーリア・イクイノックス・ドウデュース)。力が足りないのではなく、3走目に立たないだけ、という状態です。

本記事では、達成馬2頭の足跡、王手をかけて届かなかった近年の馬たち、そして1984年以降に3レースすべてを走ったG1馬の全成績を一覧で振り返ります。

目次

テイエムオペラオー ― 史上唯一のグランドスラム達成馬


まずは、初代秋古馬三冠馬となったテイエムオペラオーです。
テイエムオペラオーは1999年の皐月賞(G1)を制してG1馬となりましたが、その後は善戦するも2度目のG1を勝つことができないまま3歳シーズンを終えます。

遅咲きだったテイエムオペラオーの凄さが如実に現れたのは、古馬になってからです。
特に2000年の日本競馬界はテイエムオペラオー一色だったといっても過言ではない、そんな世紀末の1年でした。

この年のテイエムオペラオーは、8戦8勝うちG1を5勝。
しかも秋古馬三冠レースだけではなく、天皇賞・春(G1)と宝塚記念(G1)まで、同一年に古馬中長距離G1すべてを勝利するグランドスラムも達成しています。

テイエムオペラオーのイラスト
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もちろん、日本競馬の歴史上でグランドスラムを達成した競走馬は、後にも先にもテイエムオペラオーただ1頭だけです。
最終的には、2001年の天皇賞・春も制しG1通算7勝目を飾りましたが、その後は加齢もあってかG1を勝つことができず、暮れの有馬記念(5着)で引退しました。

ゼンノロブロイ


ゼンノロブロイは、2003年にデビューしクラシック戦線では好走したものの、ネオユニヴァースやザッツザプレンティといった強豪馬の前に無冠で終わりました。

古馬となった翌年のG1レースでも好走するが勝ち切れない状況が続きます。
ところが、秋に入るとその素質が一気に開花。
秋古馬三冠レースをすべて1番人気で制し、史上2頭目の秋古馬三冠馬に輝きました。

ゼンノロブロイのイラスト
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なお、ゼンノロブロイの凄さは、秋古馬三冠を達成したことだけではありません。
それは、2004年の有馬記念でたたき出した走破タイムです。
この時、ゼンノロブロイは2分29秒5というタイムで勝利しました。
これは未だに破られていない有馬記念レコードです。
参考までに2021年の年度代表馬であるエフフォーリアは2分32秒フラットでしたが、これは2キロの斤量差がありました。
さらに芝G1を7勝したキタサンブラックでも2017年に記録したタイムは2分33秒6でした。
また、引退レースでド派手な独走劇をみせた三冠馬オルフェーヴルでさえ、2分32秒3とゼンノロブロイが叩き出したタイムと3秒近く差がありますし、同じく引退レースで衝撃を与えたシンボリクリスエスも2分30秒5と、ゼンノロブロイと比較して1秒差もあります。

この先、有馬記念のレコードタイムを塗り替える最強馬は現れるのか、今後も暮れの大一番に注目したいですね。

王手をかけて届かなかった近年の5頭


達成馬が2000年と2004年で止まっていると聞くと、「近年は誰も勝てないほどレベルが上がった」と思われるかもしれません。実際は逆です。
2020年から2024年まで、5年連続で「秋古馬三冠のうち2つ」を勝った馬が現れています。そして5頭とも、残る1戦のゲートに立ちませんでした。

馬名天皇賞・秋ジャパンカップ有馬記念三冠の勝ち数
2020年アーモンドアイ1着(1人気)1着(1人気)出走せず(引退)2勝
2021年エフフォーリア1着(3人気)出走せず1着(1人気)2勝
2022年イクイノックス1着(1人気)出走せず1着(1人気)2勝
2023年イクイノックス1着(1人気)1着(1人気)出走せず(引退)2勝
2024年ドウデュース1着(2人気)1着(1人気)出走取消2勝
2025年マスカレードボール1着(1人気)2着(1人気)出走せず1勝

アーモンドアイ(2020年)は天皇賞・秋とジャパンカップを連勝し、そのジャパンカップを最後に引退しました。三冠目の有馬記念は、そもそも予定に入っていません。
エフフォーリア(2021年)とイクイノックス(2022年)は、どちらも天皇賞・秋と有馬記念を勝ちながら、間のジャパンカップを使いませんでした。3歳でこの2冠というのは十分すぎる戦績ですが、「秋古馬三冠」という物差しで見ると、走っていないレースが1つ残ります。

イクイノックスは翌2023年、今度は天皇賞・秋とジャパンカップを勝ちました。ここまでは2000年のテイエムオペラオー、2004年のゼンノロブロイと同じ形です。しかし有馬記念には向かわず、そのまま引退。三冠のうち2つを、2年で3つの組み合わせで勝ちながら、一度も3走そろえなかったという珍しい経歴になりました。

そしてドウデュース(2024年)。天皇賞・秋とジャパンカップを勝ち、三冠目の有馬記念にも登録して、この一戦を最後に引退することまで決まっていました。ところがJRAはレース2日前の2024年12月20日、右前肢跛行のため出走取消を発表。レース後に予定されていた引退式も中止になりました。ファン投票では史上最多の47万8,415票を集めていた馬が、三冠目のゲートに立たないまま現役を終えています。

2025年のマスカレードボールは天皇賞・秋を1番人気で制し、ジャパンカップでも1番人気に推されて2着。有馬記念には向かいませんでした。
勝てないのではなく、走らない。この6年を並べて見ると、秋古馬三冠が「難しい称号」から「挑まれない称号」に変わりつつあることが分かります。

秋古馬三冠に挑戦した名馬たち(全成績一覧)


ここからは、天皇賞・秋/ジャパンカップ/有馬記念の3レースすべてを同じ年に走ったG1馬を、グレード制が導入された1984年から2025年まで年代順に並べます。該当は延べ73頭。着順のうしろのカッコは単勝人気です。
は秋古馬三冠の達成馬、は2連勝で3戦目を迎えながら勝てなかった馬(=王手をかけた馬)です。
※本記事のデータは編集部による独自集計です。3レースのいずれかを取り消した馬は「3走そろえた」に数えていません。

1984年〜2000年

競走馬名 天皇賞(秋) ジャパンカップ 有馬記念
1984年 ミスターシービー 1着(1人気) 10着(1人気) 3着(2人気)
1985年 シンボリルドルフ 2着(1人気) 1着(1人気) 1着(1人気)
1986年 サクラユタカオー 1着(2人気) 6着(1人気) 6着(3人気)
1986年 ミホシンザン 3着(1人気) 3着(4人気) 3着(1人気)
1986年 ギャロップダイナ 4着(7人気) 10着(11人気) 2着(11人気)
1986年 クシロキング 14着(4人気) 8着(12人気) 10着(5人気)
1988年 タマモクロス 1着(2人気) 2着(1人気) 2着(1人気)
1988年 オグリキャップ 2着(1人気) 3着(3人気) 1着(2人気)
1989年 スーパークリーク 1着(2人気) 4着(1人気) 2着(2人気)
1989年 オグリキャップ 2着(1人気) 2着(2人気) 5着(1人気)
1989年 イナリワン 6着(4人気) 11着(8人気) 1着(4人気)
1989年 フレッシュボイス 11着(12人気) 9着(14人気) 7着(11人気)
1990年 ヤエノムテキ 1着(3人気) 6着(8人気) 7着(6人気)
1990年 オサイチジョージ 4着(2人気) 13着(10人気) 4着(5人気)
1990年 オグリキャップ 6着(1人気) 11着(4人気) 1着(4人気)
1991年 メジロマックイーン 18着(1人気) 4着(1人気) 2着(1人気)
1992年 レッツゴーターキン 1着(11人気) 8着(11人気) 4着(10人気)
1992年 トウカイテイオー 7着(1人気) 1着(5人気) 11着(1人気)
1993年 ライスシャワー 6着(1人気) 14着(7人気) 8着(5人気)
1995年 ナリタブライアン 12着(1人気) 6着(1人気) 4着(2人気)
1997年 エアグルーヴ 1着(2人気) 2着(2人気) 3着(2人気)
1998年 ステイゴールド 2着(4人気) 10着(6人気) 3着(11人気)
1998年 シルクジャスティス 8着(3人気) 8着(5人気) 7着(6人気)
1999年 △スペシャルウィーク 1着(4人気) 1着(2人気) 2着(2人気)
1999年 ステイゴールド 2着(12人気) 6着(5人気) 10着(8人気)
2000年 ★テイエムオペラオー 1着(1人気) 1着(1人気) 1着(1人気)
2000年 メイショウドトウ 2着(2人気) 2着(5人気) 2着(2人気)
2000年 ステイゴールド 7着(4人気) 8着(13人気) 7着(10人気)

錚々たる顔ぶれですが、2連勝で最終戦を迎えた(=王手をかけた)のは1999年のスペシャルウィークただ1頭。有馬記念でグラスワンダーにハナ差で屈しました。
1985年のシンボリルドルフは天皇賞・秋を2着で落としたあとジャパンカップと有馬記念を連勝しており、順番が逆なら三冠でした。1988年から1990年にかけてはオグリキャップが3年連続で3走そろえており、当時の一線級が3戦フル出走を当たり前にこなしていたことが分かります。


2001年〜2010年

競走馬名 天皇賞(秋) ジャパンカップ 有馬記念
2001年 テイエムオペラオー 2着(1人気) 2着(1人気) 5着(1人気)
2001年 メイショウドトウ 3着(2人気) 5着(3人気) 4着(2人気)
2002年 シンボリクリスエス 1着(3人気) 3着(1人気) 1着(2人気)
2002年 ナリタトップロード 2着(2人気) 10着(2人気) 4着(4人気)
2002年 エアシャカール 4着(6人気) 12着(7人気) 9着(7人気)
2002年 テイエムオーシャン 13着(1人気) 9着(10人気) 10着(10人気)
2003年 シンボリクリスエス 1着(1人気) 3着(1人気) 1着(1人気)
2003年 ツルマルボーイ 2着(5人気) 15着(9人気) 4着(6人気)
2004年 ★ゼンノロブロイ 1着(1人気) 1着(1人気) 1着(1人気)
2004年 ヒシミラクル 16着(10人気) 9着(11人気) 14着(6人気)
2005年 ヘヴンリーロマンス 1着(14人気) 7着(8人気) 6着(8人気)
2005年 ゼンノロブロイ 2着(1人気) 3着(1人気) 8着(2人気)
2005年 ハーツクライ 6着(2人気) 2着(2人気) 1着(4人気)
2005年 タップダンスシチー 9着(6人気) 10着(7人気) 12着(5人気)
2005年 スズカマンボ 13着(8人気) 9着(10人気) 10着(7人気)
2006年 コスモバルク 4着(3人気) 4着(6人気) 11着(8人気)
2007年 メイショウサムソン 1着(1人気) 3着(1人気) 8着(1人気)
2007年 コスモバルク 5着(11人気) 13着(13人気) 10着(12人気)
2007年 デルタブルース 12着(12人気) 5着(14人気) 12着(10人気)
2008年 アサクサキングス 8着(6人気) 8着(6人気) 14着(9人気)
2009年 コスモバルク 14着(18人気) 12着(17人気) 10着(15人気)
2010年 ブエナビスタ 1着(1人気) 2着(1人気) 2着(1人気)

2004年のゼンノロブロイが2頭目の達成馬になった一方、この10年で王手をかけた馬はほかにいません。
2005年は5頭が3走そろえたこの期間で最多の年で、天皇賞・秋を14番人気で制したヘヴンリーロマンス、有馬記念を勝ったハーツクライらが顔をそろえました。2010年のブエナビスタは1番人気で1着・2着・2着。あと半馬身が2度続いた形です。


2011年〜2025年

競走馬名 天皇賞(秋) ジャパンカップ 有馬記念
2011年 トーセンジョーダン 1着(7人気) 2着(6人気) 5着(3人気)
2011年 ブエナビスタ 4着(1人気) 1着(2人気) 7着(2人気)
2011年 エイシンフラッシュ 6着(3人気) 8着(5人気) 2着(7人気)
2011年 ジャガーメイル 9着(9人気) 3着(14人気) 11着(12人気)
2011年 ローズキングダム 10着(4人気) 9着(9人気) 12着(10人気)
2012年 エイシンフラッシュ 1着(5人気) 9着(5人気) 4着(3人気)
2012年 ルーラーシップ 3着(2人気) 3着(2人気) 3着(2人気)
2013年 トーセンジョーダン 11着(10人気) 3着(11人気) 14着(5人気)
2014年 ジェンティルドンナ 2着(2人気) 4着(1人気) 1着(4人気)
2014年 エピファネイア 6着(4人気) 1着(4人気) 5着(2人気)
2014年 フェノーメノ 14着(3人気) 8着(9人気) 10着(6人気)
2015年 ラブリーデイ 1着(1人気) 3着(1人気) 5着(2人気)
2015年 ワンアンドオンリー 16着(11人気) 7着(13人気) 9着(10人気)
2017年 キタサンブラック 1着(1人気) 3着(1人気) 1着(1人気)
2017年 サトノクラウン 2着(2人気) 10着(3人気) 13着(4人気)
2017年 レインボーライン 3着(13人気) 6着(8人気) 8着(9人気)
2018年 キセキ 3着(6人気) 2着(4人気) 5着(2人気)
2019年 スワーヴリチャード 7着(5人気) 1着(3人気) 12着(5人気)
2020年 キセキ 5着(4人気) 8着(6人気) 12着(8人気)
2023年 ドウデュース 7着(2人気) 4着(3人気) 1着(2人気)
2024年 ジャスティンパレス 4着(6人気) 5着(3人気) 5着(4人気)
2025年 ジャスティンパレス 3着(8人気) 5着(5人気) 7着(5人気)
2025年 タスティエーラ 8着(2人気) 7着(6人気) 6着(8人気)

2011年以降も、王手をかけた馬は現れていません。
目を引くのは2012年のルーラーシップで、3戦とも2番人気3着という判で押したような成績。2017年のキタサンブラックは1着・3着・1着で、ジャパンカップの3着だけが三冠を阻みました。この2017年を最後に、3走そろえたG1馬は年に1〜2頭まで減っています(2021年・2022年はゼロ)。

なぜ3走そろえる馬がいなくなったのか


「達成馬が2頭しかいない」という事実は、たいてい難易度の話として語られます。ただ、上の一覧を数え直すと、別の側面が出てきます。
下表は、3レースすべてを走った馬(G1馬に限らず全馬)の延べ頭数を10年ごとにまとめたものです。

期間3走そろえた馬(延べ)1年あたり
1986〜1995年29頭2.9頭
1996〜2005年30頭3.0頭
2006〜2015年33頭3.3頭
2016〜2025年16頭1.6頭

※1984年・1985年は出走記録の収録が一部にとどまるため、集計から外しています。

30年間ほぼ3頭前後で推移していたものが、直近10年で半分以下の1.6頭になりました。2016年と2022年に至っては、3走そろえた馬が1頭もいません

さらに象徴的なのが、天皇賞・秋を勝った馬の動きです。勝った勢いでジャパンカップと有馬記念にも向かった年は、記録が揃う1986年以降で18回ありました。最後は2017年のキタサンブラック2018年から2025年までの8年間は、一度もありません

背景として考えられるものを、断定はせずに並べておきます。

要因中身
日程の詰まり天皇賞・秋 → ジャパンカップ → 有馬記念は、いずれも中3週。2000mから2400m、2500mへ距離を伸ばしながら4週間おきに3走する
海外の選択肢凱旋門賞(10月上旬)、ブリーダーズカップ(11月)、香港国際競走(12月)と、同時期に遠征先が増えた
引退の前倒しアーモンドアイ(2020年)もイクイノックス(2023年)も、種牡馬・繁殖入りのため三冠目を待たずに引退した
使い分けの定着近年の陣営は「勝てる1〜2走に絞る」運用が主流。3走とも使う理由が薄くなった

2000年に創設された褒賞金の狙いも、まさにここにありました。しかも金額は2025年度に引き上げられています。同一年に秋古馬三冠を制した馬へのボーナスは、内国産馬で2億円→3億円、外国産馬で1億円→1億5000万円。あわせて、大阪杯・天皇賞(春)・宝塚記念・天皇賞(秋)・ジャパンカップ・有馬記念の6つの古馬G1のうち同じ年に3勝すると、内国産馬2億円・外国産馬1億円という褒賞金も新設されました。三冠を丸ごと獲る手前に、中間の目標が置かれた形です。
そこまで積んでも、いま起きているのは「勝てない」ではなく「そもそも3走そろえない」という現象です。
裏を返せば、次にこの称号が動くとしたら、能力よりも先に「3走使う」という判断が要るということになります。

よくある質問


Q. 秋古馬三冠とは何ですか?
秋古馬三冠とは、天皇賞・秋/ジャパンカップ/有馬記念のG1 3レースを同一年に制覇した競走馬に与えられる称号です。3歳の牡馬・牝馬三冠と違い、3歳以上の古馬なら引退するまで何度でも挑戦できる構成ですが、達成馬は日本競馬史上わずか2頭しかいない難関のシリーズです。なお正式名称ではなく通称として使われています。

Q. 秋古馬三冠を達成した馬は?
達成馬は2頭。1頭目は2000年のテイエムオペラオーで、この年は8戦8勝・G1 5勝(天皇賞春・宝塚記念・天皇賞秋・JC・有馬記念)の古馬中長距離G1グランドスラムも史上唯一達成しました。2頭目は2004年のゼンノロブロイで、秋古馬三冠の3レースをすべて1番人気で制覇。さらに有馬記念で2分29秒5の同レースレコードタイムを記録しています。

Q. 秋古馬三冠と春古馬三冠の違いは?
対象レースが異なります。秋古馬三冠は天皇賞・秋/ジャパンカップ/有馬記念の3 G1。春古馬三冠は大阪杯/天皇賞・春/宝塚記念の3 G1で、大阪杯がG1に昇格した2017年以降の構成です。秋・春いずれも正式名称ではなく通称で、3歳以上の古馬なら何度でも挑戦できる点は共通しています。

Q. 秋古馬三冠に挑戦して惜しかった名馬は?
3走そろえて2連勝で最終戦を迎えた(王手をかけた)のは1999年のスペシャルウィークだけです(天皇賞秋1着・JC1着・有馬記念2着)。1985年のシンボリルドルフは天皇賞秋2着のあとJCと有馬記念を連勝しており、順番が逆なら三冠でした。近年は2023年のイクイノックス(天皇賞秋1着・JC1着)と2024年のドウデュース(天皇賞秋1着・JC1着)が2勝しましたが、いずれも三冠目のゲートに立っていません。

Q. 秋古馬三冠の3レースすべてに出走した馬は何頭いますか?
1984年から2025年までで、G1を勝ったことのある馬に限ると延べ73頭です(編集部集計)。3レースすべてを走った馬は全体で見ても年に3頭前後で推移してきましたが、2016〜2025年の10年間は1年あたり1.6頭まで減り、2016年と2022年はゼロでした。

Q. 最近、秋古馬三冠の達成馬が出ないのはなぜですか?
勝てないというより、3走そろえる馬がいなくなったためです。天皇賞・秋を勝った馬がその年のジャパンカップと有馬記念にも出走した年は1986年以降で18回ありますが、最後は2017年のキタサンブラックで、2018〜2025年の8年間はゼロです。中3週で2000m→2400m→2500mと使う負担、凱旋門賞や香港国際競走といった同時期の遠征先の増加、種牡馬入りに向けた引退の前倒しなどが背景として挙げられます。

Q. 秋古馬三冠を達成するとボーナスはもらえますか?
はい。2000年に創設された褒賞金制度があり、同一年に天皇賞・秋/ジャパンカップ/有馬記念を制すると褒賞金が交付されます。金額は2025年度に増額され、内国産馬で3億円、外国産馬で1億5000万円になりました(従来は2億円・1億円)。あわせて、大阪杯・天皇賞(春)・宝塚記念・天皇賞(秋)・ジャパンカップ・有馬記念の6つの古馬G1のうち同じ年に3勝した馬への褒賞金(内国産馬2億円・外国産馬1億円)も新設されています。ただし秋古馬三冠の達成馬は2000年テイエムオペラオーと2004年ゼンノロブロイの2頭のままです。

Q. 「秋古場三冠」と「秋古馬三冠」は同じですか?
「秋古場三冠」は誤記で、正しくは「秋古馬三冠」(あきこばさんかん)です。「古馬」は古い馬のことではなく、4歳以上のクラシック世代を終えた競走馬を指す競馬用語で、「古場」ではなく「古馬」が正しい表記です。

まとめ


秋古馬三冠を同一年に制したのは、2000年のテイエムオペラオーと2004年のゼンノロブロイの2頭だけです。

2000年には褒賞金制度も設けられ、2025年度に内国産馬3億円・外国産馬1億5000万円へ増額されました。中3週で2000m・2400m・2500mを走り切るタフさが要ることに変わりはありませんが、いま起きているのは「勝てない」ではなく「3走そろえない」という現象です。
天皇賞・秋の勝ち馬が3走そろえた最後の年は2017年のキタサンブラック。それから8年、凱旋門賞や香港国際競走への遠征、種牡馬入りに向けた早期引退が重なって、三冠目のゲートに立つ馬がいなくなりました。

一方で、2020年から2024年までは5年続けて「三冠のうち2つ」を勝つ馬が現れています。力が足りないわけではない。あと1走という判断が、いまはいちばん重い決断になっているのだと思います。

ℹ AI生成
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2024年12月22日の中山競馬場。有馬記念のゲートに、ドウデュースの姿はありませんでした。天皇賞・秋とジャパンカップを勝ち、三冠まであと1つ。ファン投票で史上最多の票を集めた馬の引退レースは、2日前の右前肢跛行という知らせで消えました。
25年ぶりの三冠が生まれるとしたら、それはたぶん、強い馬が現れた年ではなく、強い馬が3走使うと決めた年です。

秋古馬三冠のドラマを知ると、天皇賞・秋からの3戦が一段と楽しくなります。
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