メインコンテンツへ
LINEアイコン 友だち募集中
ⓘ 当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

ブリンカーとは?効果・デメリットと出馬表「B」の見方を58万走で検証

ブリンカーとは


2005年の天皇賞・秋。14番人気の牝馬が府中の直線で外から伸び、断然人気だった馬たちをまとめてのみ込みました。ヘヴンリーロマンス、単勝75.8倍。その目の脇には、左右の視界を遮る黒いカップ型の馬具が光っていました。ブリンカーです。

ブリンカーを装着した競走馬の横顔アップ
ℹ AI生成
この画像は、AIによって生成された架空のイメージであり、実在の人物・馬・団体等を描写したものではありません。
また、肖像権・パブリシティ権に配慮し、特定の人物に類似させるための学習データ使用やプロンプト調整等はおこなっておりません。

[使用ツール・モデル]
・ChatGPT Image(gpt-image-2)

ブリンカーとは、馬の視界の一部を遮って意識をレースに集中させるための馬具のこと。「遮眼革(しゃがんかく)」とも呼ばれます。気が散りやすい馬、まわりを気にして走りに集中できない馬に、視界を絞ることで前だけを見させる。発想はとてもシンプルです。JRAでは装着に届出が必要で、出馬表では馬番や馬名の脇に「B」と表示されます。

この馬具、ここ40年で着ける馬がぐっと増えました。出走全体に占める装着率は1986年の3.6%から2026年には12.7%へ、およそ3.5倍。いまや8頭に1頭が着けている、ありふれた道具です。

では、ブリンカーを着けると馬は本当に変わるのか。約58万走の独自集計では、初めて着けた馬の単勝回収率が77.7%だったのに対し、着けていたものを外した馬は57.3%。5つのパターンで最も低い数字でした。
効果とデメリット、出馬表の「B」の見分け方、そして2026年の安田記念を初ブリンカーの8番人気で制したシックスペンスまで、データと実例を順に並べていきます。

目次

なぜブリンカーで馬は変わるのか


話は、馬の目のつくりから始まります。
馬の視野はおよそ350度。真後ろのわずかな範囲を除いて、ほぼ全周が見えています。人間が180度ほどしか見えないことを思えば、別世界の視界です。広く見えるのは外敵から逃げて生きてきた草食動物の名残ですが、その広さが競走馬にとっては仇になることがあります。

後ろから来る馬が見える。横の動きが気になる。スタンドの動きやざわめきに気を取られる。結果として、まっすぐ走らず内にもたれたり外へ膨れたり、追い比べの場面で集中を欠いたりする。能力は足りているのに、レースの呼吸に乗れない馬は珍しくありません。

そこで視界を物理的に絞ってやる。横と後ろを見えなくすれば、馬の意識は自然と前へ向かいます。遮る範囲はカップの大きさで調整でき、目の外側を完全に覆うフルカップから、部分的に覆うハーフカップまで段階があります。強く効かせたい馬にはフルカップ、少しだけ集中を促したい馬にはハーフ、という具合です。

気性難への対処という意味では、去勢(セン馬にすること)と動機は重なります。ただ、決定的に違うのは引き返せるかどうか。去勢は二度と元に戻せず、種牡馬の道を完全に閉ざす重い決断です。ブリンカーは着けて合わなければ外せばいい。リスクの軽い、いわば最初の一手です。気性難の馬に陣営がまず試すのがブリンカーで、それでも御しきれないときに去勢が視野に入る。順序としては、そう考えると分かりやすいはずです。

ブリンカーの種類と仲間の馬具


パドックで馬を見ていると、顔まわりにいろいろな道具が着いています。ブリンカーと混同されやすいものが多いので、整理しておきます。次の表が、顔まわりの主な馬具とその役割です。

馬具役割出馬表の表示
ブリンカー横や後方の視界を遮り、前方に集中させる「B」あり
チークピース頬に付けるボア。ブリンカーより緩く視界を絞る表示なし
シャドーロール鼻革のボア。地面の影など下方の物見を防ぐ表示なし
メンコ耳覆い付き。風音や歓声を遮る、砂よけ表示なし
ホライゾネット目穴をネットで覆う。砂をかぶるのを嫌う馬に表示なし

ここで押さえておきたいのがチークピースです。正式にはシープスキン・チークピースといって、目の外側の頬にボア状の生地を当て、横後方の視界をゆるやかに絞ります。ブリンカーの「弱い版」と考えると近い。
ただし決定的な違いがあって、チークピースはJRAへの事前届出がいりません。届出がいらないということは、出馬表に印が出ないということ。つまり馬券を買う側からは、パドックで現物を見るまで装着が分からないのです。後で触れるデータが「ブリンカー」だけを扱い、チークピースを含まないのは、この制度上の線引きが理由です。

シャドーロールは目的がそもそも違います。鼻の上に付けるボアで、遮るのは下方の視界。地面に落ちる影や芝の切れ目に驚いて頭を上げてしまう馬の、足元への意識をそらすための道具です。これを着けて三冠を独走した馬といえば、「シャドーロールの怪物」ナリタブライアン。横を絞るブリンカーと、下を隠すシャドーロール。狙う方向が90度違う、と覚えておくと混同しません。

40年で3.5倍に増えた馬具


ここからは数字でブリンカーの実態を確かめます。まずは装着率の推移から。下表は中央競馬の出走に占めるブリンカー装着の割合を、年代を追って並べたものです。
※本記事のデータは編集部による独自集計です。

装着率
1986年3.6%
1995年6.0%
2000年8.1%
2005年7.5%
2010年7.4%
2015年7.9%
2020年9.8%
2023年12.2%
2024年11.6%
2025年12.2%
2026年(8月上旬まで)12.7%

右肩上がりです。1986年は出走の3.6%、つまり30頭に1頭ほどだったのが、2020年代に入って12%台に乗りました。2026年はここまで12.7%で、集計を始めた1986年以降で最も高い数字です。いまは8頭に1頭が着けている計算になります。
背景には、矯正馬具への抵抗感が薄れ、早めに試す陣営が増えたことがあります。昔は「ブリンカーを着ける=難しい馬」という見られ方がありましたが、いまは折り合い対策の標準的な選択肢のひとつ。気軽に着けて、合えば継続、合わなければ外す。その回転が速くなったぶん、装着率も上がってきた、と読むのが自然です。

では、着けた馬は走るのか。直近5年(2021〜2025年)の成績を、装着と非装着で並べてみます。

区分出走数勝率複勝率単勝回収率
非装着207,8767.48%22.33%70.5%
装着27,9646.25%19.49%79.2%

予想とは逆かもしれません。
勝率も複勝率も、装着馬のほうが低いのです。これは当然で、ブリンカーを着ける馬はそもそも気性に難を抱えていることが多く、能力を出しきれない馬が混ざります。ところが単勝回収率では装着馬が79.2%と、非装着の70.5%を8.7ポイント上回りました。勝ちにくいのに、買ったときの戻りは大きい。
これは「装着馬は人気以上に走る」ことを示しています。気性難というレッテルでファンに嫌われ、人気を落としたところへ、ブリンカーで集中力が戻って激走する。過小評価されやすい立場が、配当の妙味を生んでいるわけです。

ブリンカーのメリットとデメリット


ブリンカーは「着ければ走る道具」ではありません。良い面と悪い面が、どちらもはっきり出ます。まず整理しておきます。

◆メリット

メリット中身
集中力が戻る横と後ろが見えなくなり、意識が前へ向く。ゴールドシップは2013年の有馬記念で初装着し、翌2014年の宝塚記念と2015年の天皇賞・春を装着して勝った
人気の盲点になる初装着の単勝回収率は77.7%で、非装着継続の72.5%より上。勝率は低いのに買ったときの戻りは大きい
2戦目以降に伸びる装着継続の単勝回収率は79.4%で5パターン中いちばん高い。効いた馬だけが着け続けるため
やり直せる去勢と違って元に戻せる。合わなければ外せばよく、陣営にとってリスクの軽い一手

◆デメリット

デメリット中身
効き目が続かない陣営が外す判断をした馬(ブリンカー外し)の単勝回収率は57.3%で5パターン中最低。慣れて効かなくなる、あるいは馬自身が下り坂に入ったサインと読める
そもそも勝率が下がる装着馬の勝率は6.25%・複勝率19.49%で、非装着(7.48%・22.33%)を下回る。気性に難のある馬が着けるので当然だが、「着けたから走る」ではない
掛かる馬もいる前だけを見るぶん、行きたがる気持ちが強まる馬もいるとされる。折り合いが命の長距離戦では裏目に出ることがある
横の気配に鈍くなる他馬の接近が見えないため、追い比べで反応が遅れる場面があるといわれる
気性難そのものは直らないデビュー戦から着けている馬(新馬から装着)の単勝回収率は17.8%、509走。馬具で届く範囲を超えた気性難を抱えていることが多い

※回収率・勝率は本記事の独自集計(2014〜2025年・約58万走)にもとづきます。「掛かる」「横の気配」の2点はデータではなく通説として挙げています。

まとめると、ブリンカーが効くのは「着けた瞬間」ではなく「着けて合った馬が着け続けているあいだ」です。そして外した瞬間に、数字はいちばん悪くなります。着脱のタイミングは、陣営の見立てがそのまま出る場所だと考えてよさそうです。

初装着は買い、ブリンカー外しは消し


装着率と全体成績を押さえたところで、いよいよ核心に入ります。
ブリンカーで本当に知りたいのは「着けているかどうか」ではなく、「いつ着けたか」「いつ外したか」のはずです。前走から状態が変わった、その変化点こそが妙味になる。そこで一頭ずつの過去走をさかのぼり、前の走りでブリンカーを着けていたかどうかで分類して集計しました。対象は2014〜2025年、約58万走です。

パターン出走数勝率複勝率単勝回収率
初装着(前走なし→今走あり)14,8755.05%15.74%77.7%
装着継続(前走も今走もあり)41,1286.61%20.73%79.4%
新馬から装着5092.36%8.45%17.8%
ブリンカー外し(前走あり→今走なし)7,7134.10%14.39%57.3%
非装着継続512,9347.35%21.92%72.5%

表の上から読んでいきます。
初装着の勝率は5.05%で、非装着継続の7.35%より低い。やはり初めて着ける馬は気性に課題を抱えていて、すぐには勝ちきれません。ところが単勝回収率は77.7%で、非装着継続の72.5%を上回ります。勝率は低いのに回収率は高い。これはたまに人気薄から大きく走る馬がいるということ。「初ブリンカーで一変」という言葉には、数字の裏づけがあったわけです。

装着継続になると、回収率は79.4%とさらに上がります。一度着けて手応えがあったから継続している。効果を確かめた馬だけが残るので、初装着より成績が良くなるのは理屈に合います。ブリンカーは着けた初戦より、続けて2戦目、3戦目に真価を出す馬具なのです。

問題は下の2行です。
ブリンカー外しの単勝回収率は57.3%。五つのパターンで最も低い数字です。着けていたものをわざわざ外すのは、効果が薄れたか、馬自身が下り坂に入ったサインであることが多い。陣営が「もう要らない」と判断した馬を、買い手が追いかける理由は乏しい、と数字は告げています。
新馬から装着に至っては回収率17.8%。デビュー戦からブリンカーが要る馬は相当な気性難で、ここは手を出さないのが賢明です。

まとめると、初めて着けた馬と、着け続けている馬は妙味あり。外した馬と新馬から着けている馬は消し。ブリンカーは「B」が付いたか消えたかを前走と見比べるだけで、これだけの濃淡が見えてきます。数字だけ見ればそう読めます。

出馬表の「B」はどこに出る?


出馬表を眺めていて、馬番や馬名の脇に小さく「B」が付いている馬を見たことがあると思います。あれがブリンカー装着の印です。JRA公式の出馬表でも、競馬新聞でも、netkeiba などの競馬サイトでも、馬名まわりに同じ「B」が置かれます。
ブリンカーはJRAへの届出が必要な馬具なので、着けていれば必ずこの表示が出ます。逆にいえば、「B」が無ければブリンカーは着けていないと断言できます。

ただし、知りたいことは「着けているか」だけではないはずです。下表に、確認したいことと見る場所を並べました。

確認したいことどこを見るか
着けているか今走の出馬表。馬番・馬名の脇の「B」
初装着か前走の出馬表と見比べる。前走に「B」が無く、今走にあれば初装着
ブリンカー外しか同じく前走と見比べる。前走に「B」があり、今走に無ければ「外し」
チークピースを着けているか出馬表には出ない(届出不要)。パドックで頬まわりを確認する
フルカップかハーフカップか出馬表では分からない。パドックか返し馬の映像で現物を見る

表のとおり、ブリンカーで妙味が生まれるのは「今走のB」ではなく「前走との差」です。今走だけを見ていると、初装着も外しも、ただの「B付きの馬」「B無しの馬」として通り過ぎてしまいます。
競馬新聞や競馬サイトの多くは前走の出馬表もすぐ開けるので、気になった馬は1つ前まで戻って「B」の有無を確かめる。ひと手間ですが、次の章で見るとおり、そこに20ポイント以上の回収率差が眠っています。

もう一点。「B」が付いていないからといって、視界の矯正が何も入っていないとは限りません。チークピースは届出が不要なため出馬表に出ず、パドックで実物を見るまで分かりません。当記事の集計が「ブリンカー」だけを扱いチークピースを含まないのも、この制度上の線引きが理由です。

ブリンカーでG1を勝った馬たち


データの話が続いたので、ここからは顔の見える話を。ブリンカーを着けてG1を勝った馬を年代順に並べると、着けるに至った経緯が一頭ずつ違っていて、この馬具の効きどころが見えてきます。

◆ゴールドシップ 着けて復活、外して終わる

ブリンカーの効能と賞味期限を、一頭で語りきってしまうのがゴールドシップです。
デビューから皐月賞、菊花賞、有馬記念(2012年)と、何も着けずに大レースを勝ち上がった馬でした。ところが4歳の2013年に歯車が狂います。天皇賞・春5着、京都大賞典5着、そしてジャパンカップは2番人気で15着の大敗。気性の難しさが前面に出て、走りに集中できなくなっていました。

芝コースを全力疾走する競走馬と騎手
ℹ AI生成
この画像は、AIによって生成された架空のイメージであり、実在の人物・馬・団体等を描写したものではありません。
また、肖像権・パブリシティ権に配慮し、特定の人物に類似させるための学習データ使用やプロンプト調整等はおこなっておりません。

[使用ツール・モデル]
・ChatGPT Image(gpt-image-2)

陣営が動いたのが、2013年暮れの有馬記念。ここで初めてブリンカーを装着し、2番人気で3着に巻き返します。手応えをつかんだのか、以降は着け続け、2014年の宝塚記念を1番人気で快勝2015年の天皇賞・春も制覇。一度は崩れた馬が、馬具ひとつで戦線に戻ってきました。

ところが物語には続きがあります。2015年の暮れ、ジャパンカップと有馬記念でブリンカーを外したのです。結果は10着と8着。これがラスト2走となり、ゴールドシップは引退しました。着けて復活し、外して終わる。先ほどの「ブリンカー外しは消し」という集計結果を、最強クラスの馬がそのままなぞっていったことに、いまでも引っかかるものがあります。

◆ヘヴンリーロマンス 14番人気の大穴

冒頭で触れた牝馬です。デビューから2年ほどは無印で走り、2004年秋に初めてブリンカーを装着。これが転機になり、暮れに重賞(阪神牝馬S)を勝ちます。

ブリンカーを装着した競走馬の顔アップ(目の脇のカップが見える)
ℹ AI生成
この画像は、AIによって生成された架空のイメージであり、実在の人物・馬・団体等を描写したものではありません。
また、肖像権・パブリシティ権に配慮し、特定の人物に類似させるための学習データ使用やプロンプト調整等はおこなっておりません。

[使用ツール・モデル]
・ChatGPT Image(gpt-image-2)

そして迎えた2005年の天皇賞・秋。前走まで二桁着順が並び、単勝は75.8倍の14番人気。鞍上は松永幹夫騎手。誰も買っていない伏兵が、府中の直線で1番人気ゼンノロブロイら上位人気をまとめて差し切りました。ブリンカーを着けた馬が人気の盲点で激走する、という構図の、もっとも鮮やかな実例です。配当を見た人より、見ていなかった人のほうが多かったレースでした。

◆ウインカーネリアン 近年の好例

昔話ばかりではありません。マイル路線で東京新聞杯や関屋記念を勝っていたウインカーネリアンは、頭打ちになりかけた2024年初め、東京新聞杯でブリンカーを初装着。同時に距離を短距離へ切り替えていきます。
その路線変更が実を結んだのが2025年のスプリンターズステークス。三浦皇成騎手を背に、11番人気で1着に突き抜けました。集中力の補助と適距離の見直しがかみ合うと、ベテランでもこれだけ変わる。生きた見本です。

◆シックスペンス 2026年、初ブリンカーで安田記念

いちばん新しい実例が、2026年6月7日の安田記念です。
シックスペンスは2024年のスプリングステークス、毎日王冠、2025年の中山記念と重賞を3つ勝った実力馬ですが、G1では勝ち切れませんでした。2025年の安田記念は3番人気で12着、2026年に入ってもフェブラリーステークス6番人気9着、マイラーズカップ4番人気7着と苦しい内容が続きます。
そこで臨んだ2026年の安田記念で、デビューから13戦目にして初めてブリンカーを装着。単勝は8番人気まで落ちていましたが、そのまま1着に突き抜けました。前走まで一度も着けていなかった馬が、着けた初戦でG1を勝った形です。

◆コスタノヴァ 着けて勝ち、外して負ける

同じ2026年、ダートでも似たことが起きています。
コスタノヴァは2025年のフェブラリーステークスを勝ったあと、さきたま杯11着、武蔵野ステークス2着と足踏みが続きました。連覇のかかった2026年2月22日のフェブラリーステークスで初めてブリンカーを装着し、2番人気で1着
ところが次走のかしわ記念ではブリンカーを外して4着。着けて勝ち、外して敗れる。ゴールドシップが2年がかりで見せた流れを、わずか2走で繰り返したことになります。

この「人気薄での激走」は、近年ますます目につきます。2022年スプリンターズSのジャンダルム(8番人気)、2023年高松宮記念のファストフォース(12番人気)、2024年フェブラリーSのペプチドナイル(11番人気)、2025年スプリンターズSのウインカーネリアン(11番人気)、そして2026年安田記念のシックスペンス(8番人気)。いずれもブリンカーを着けてのG1制覇でした。短距離やマイル、ダートの一発勝負ほど、集中力の上積みが勝負を分けるのかもしれません。

予想への落とし込み方


最後に、実際の馬券にどう落とし込むか。難しいことはありません。やることは三つです。

一、初装着は「人気が甘いとき」だけ買う。初装着の勝率は5.05%と低く、素直に強い馬ではありません。妙味があるのは回収率77.7%という戻りの部分、つまり人気を落としたときです。1〜2番人気の初装着まで追いかけると、勝率の低さのほうが効いてきます。

二、ブリンカー外しは、まず消す。単勝回収率57.3%は5パターン中いちばん低い数字でした。着けていたものをわざわざ外すのは、効果が薄れたか、馬自身が下降線に入ったサインであることが多い。2026年のコスタノヴァのように、勝った次のレースで外してくるケースもあります。人気が残っているぶん、消し材料としての価値は高いほうです。

三、初装着で凡走した馬を、次走で拾う。集計では、初装着(回収率77.7%)より装着継続(79.4%)のほうが上でした。着けた初戦で人気を裏切った馬が、2戦目・3戦目に一変するのはよくある話です。一度着けた馬は、その後ろ姿も追いかけておくと拾える配当があります。

ブリンカーは、馬の調子や陣営の意図がいちばん素直に表に出る馬具だと感じています。たった一文字の「B」に、これだけの情報が詰まっている。馬券を組み立てる前に、一度そこへ目を落とす価値はあります。

ブリンカー初装着の人気薄を狙うなら、穴馬予想に特化した競馬予想サイトの検証記事も参考になります。
当編集部が12種のプランを実際に試した記録です。

よくある質問


Q. ブリンカーとは何ですか?
ブリンカー(遮眼革)とは、馬の視界の一部を遮って意識をレースに集中させるための馬具です。メンコの目穴部分に合成ゴムやプラスチック製のカップを取り付けたもので、横や後方の視界を制限します。JRAでは出馬投票時の届出が必要で、出馬表では馬番や馬名の脇に「B」と表記されます。

Q. ブリンカーを初めて着けた馬は買いですか?
編集部の独自集計(2014〜2025年)では、ブリンカー初装着のレースは勝率5.05%と全体平均より低いものの、単勝回収率は77.7%と非装着継続(72.5%)を上回りました。勝ちきれないが人気薄で激走する馬がいる、という妙味があります。一方で、それまで着けていたブリンカーを外した馬は単勝回収率57.3%と全パターンで最も低く、買うべきではないという結果でした。

Q. ブリンカーとチークピース・シャドーロールは何が違いますか?
ブリンカーは横や後方の視界を遮る馬具で、JRAへの届出が必要なため出馬表に「B」と表示されます。チークピース(シープスキン・チークピース)はブリンカーより効果が緩やかで、届出が不要なため出馬表には表示されません。シャドーロールは鼻革に付けるボア生地で、地面の影など下方の視界を遮るもので、目的が異なります。

Q. ブリンカーを着けた有名な馬はいますか?
ゴールドシップは2013年の有馬記念で初めてブリンカーを着け、翌2014年の宝塚記念と2015年の天皇賞・春を装着して制しました。ヘヴンリーロマンスはブリンカーを着けて2005年の天皇賞・秋を14番人気・単勝75.8倍で勝利。近年もウインカーネリアンが2025年のスプリンターズステークスを11番人気、シックスペンスが2026年の安田記念を初ブリンカーの8番人気で制するなど、人気薄での好走が目立ちます。

Q. 出馬表の「B」はどういう意味ですか?
ブリンカーを装着していることを示す印です。ブリンカーはJRAへの届出が必要な馬具のため、着けている馬は出馬表の馬番・馬名の脇に必ず「B」が表示されます。JRA公式の出馬表でも競馬新聞でも競馬サイトでも同じ表記です。逆に「B」が無ければブリンカーは着けていません。ただしチークピースは届出が不要で出馬表に出ないため、「B」が無くても視界を絞る馬具が着いている場合はあります。

Q. ブリンカーのデメリットは何ですか?
第一に、効き目が続かないことです。編集部の集計では、着けていたブリンカーを外した馬の単勝回収率は57.3%と5つのパターンで最低でした。第二に、装着馬の勝率6.25%・複勝率19.49%は非装着(7.48%・22.33%)を下回ります。着ける馬はもともと気性に難を抱えているためで、「着けたから走る」わけではありません。第三に、デビュー戦から着けている馬の単勝回収率は17.8%と極端に低く、馬具では届かない気性難もあります。ほかに、前だけを見るぶん掛かりやすくなる、横の気配に鈍くなる、といった点も指摘されます。

Q. ブリンカーを外した馬は買いですか?
データ上は買いにくい部類です。2014〜2025年の約58万走を集計すると、ブリンカー外し(前走装着・今走非装着)の単勝回収率は57.3%、勝率4.10%で、初装着・装着継続・非装着継続のいずれよりも低い数字でした。着けていたものをわざわざ外すのは、効果が薄れたか馬自身が下降線に入ったサインであることが多いためと考えられます。ゴールドシップも2015年にブリンカーを外した2走(10着・8着)を最後に引退しました。

Q. ブリンカーを着けている馬はどのくらいいますか?
中央競馬の出走に占める装着率は、1986年の3.6%から2026年(8月上旬まで)の12.7%まで上がりました。約3.5倍で、いまは8頭に1頭が着けている計算です。2026年の12.7%は1986年以降で最も高い数字です。矯正馬具への抵抗感が薄れ、合わなければ外せばよいという前提で早めに試す陣営が増えたことが背景にあります。

まとめ


ブリンカーは、馬の広すぎる視界を絞って前を向かせる、小さな黒いカップです。着ければ気性難の馬が一変することもあれば、効かずに外されることもある。可逆で気軽だからこそ、装着と脱着のタイミングに陣営の本音がにじみます。

数字で言えば、初装着の単勝回収率77.7%に対し、ブリンカー外しは57.3%。20ポイントの差が、出馬表のたった一文字が付いたか消えたかに表れています。2026年の安田記念でシックスペンスが13戦目の初ブリンカーで8番人気1着に飛び込んだのも、この構図の延長線上にありました。

パドックでブリンカーを着けた競走馬を引く厩務員
ℹ AI生成
この画像は、AIによって生成された架空のイメージであり、実在の人物・馬・団体等を描写したものではありません。
また、肖像権・パブリシティ権に配慮し、特定の人物に類似させるための学習データ使用やプロンプト調整等はおこなっておりません。

[使用ツール・モデル]
・ChatGPT Image(gpt-image-2)

2015年の暮れ、有馬記念のパドック。ゴールドシップの目元から、二年間そこにあったブリンカーが外されていました。馬具を外したその馬は、もう以前の脚を見せることなく、8着でターフを去りました。着けた日に始まり、外した日に終わる。一頭の競走馬の浮き沈みが、目の脇のカップひとつに刻まれていたことを、あのパドックの光景はいまも思い出させます。

どの競馬予想サイトを選べばいいか
迷っていませんか?

ランキングで予想サイトを比較する

この記事をシェアする