シーザリオ一族の血統と産駒 子と孫で中央G1を21勝した母と、種牡馬になった息子たち
また、肖像権・パブリシティ権に配慮し、特定の人物に類似させるための学習データ使用やプロンプト調整等はおこなっておりません。
[使用ツール・モデル]
・gpt-image-2
日本で調教された馬が、初めてアメリカのG1を勝ったのは2005年7月3日のことです。ハリウッドパーク競馬場のアメリカンオークスを、シーザリオが2着に4馬身差をつけて勝ちました。その42日前には、東京で優駿牝馬(オークス)も勝っています。
シーザリオは2002年生まれの牝馬で、通算成績は6戦5勝。母としては12頭の仔が中央競馬に登録され、そのうちエピファネイア、リオンディーズ、サートゥルナーリアの3頭がG1を勝ちました。3頭とも牡馬で、父はシンボリクリスエス、キングカメハメハ、ロードカナロアと別々です。
3頭はそろって種牡馬になり、その産駒から中央G1を勝った孫が11頭、勝ち数にして16勝出ています。子の5勝と合わせて21勝、シーザリオ自身の1勝を足すと、一族の中央G1は22勝です(2026年9月22日時点)。
同じ母から生まれた3頭でも、種牡馬としての成績には開きがあります。通算の勝ち星では、最も早く産駒を送り出したエピファネイアが大きく先を行きます。ところが、産駒が走り始めてから3年で区切ると、重賞の勝ち数は10勝と9勝。3頭のうち最も若いサートゥルナーリアが、ほとんど並んでいます。2頭の間に生まれたリオンディーズは3勝でした。同じ母の3頭で、差はどこで付いたのか。
シーザリオのデビューは2004年12月25日、阪神の新馬戦です。年明けの寒竹賞、3月のフラワーカップと勝ち、3戦3勝で桜花賞へ向かいました。次の表は、シーザリオの全6戦です。
| 年月日 | レース | 人気 | 着順 | 騎手 |
|---|---|---|---|---|
| 2004年12月25日 | 2歳新馬 阪神・芝1600m | 2番人気 | 1着 | 福永祐一 |
| 2005年1月9日 | 寒竹賞 中山・芝2000m | 4番人気 | 1着 | 福永祐一 |
| 2005年3月19日 | フラワーカップ 中山・芝1800m | 1番人気 | 1着 | 福永祐一 |
| 2005年4月10日 | 桜花賞 阪神・芝1600m | 1番人気 | 2着 | 吉田稔 |
| 2005年5月22日 | 優駿牝馬 東京・芝2400m | 1番人気 | 1着 | 福永祐一 |
| 2005年7月3日 | アメリカンオークス ハリウッドパーク・芝約2000m | ― | 1着 | 福永祐一 |
桜花賞は1番人気で2着でした。勝ったラインクラフトとは同じ1分33秒5で、差はアタマだけ。ラインクラフトに乗っていたのは福永祐一騎手で、新馬戦からシーザリオの手綱を取ってきた主戦です。この日だけは、シーザリオに吉田稔騎手が乗っていました。福永祐一騎手の歩みは別の記事で追っています。
オークスは、4コーナーを12番手で回ってからの差し切りです。上がり3ハロンは33秒3で、18頭のなかで最も速く、2番目に速かったディアデラノビアの33秒7を0秒4上回りました。2着のエアメサイアとはクビ差でした。3着のディアデラノビアは、シーザリオと同じ角居勝彦厩舎の馬です。
アメリカンオークスは、1頭が取り消して12頭立てでした。1番人気のメリョールアインダを4馬身突き放し、勝ちタイムの1分59秒03はこのレースのステークスレコードです。オークスから中5週での遠征でした。
2005年度のJRA賞では、最優秀3歳牝馬と最優秀父内国産馬に選ばれています。しかし帰国後は繋靱帯炎で休養に入り、そのまま復帰できずに、2006年から繁殖牝馬になりました。
2007年から2020年までに生まれ、中央競馬に登録された仔は12頭です。2009年と2019年には仔が生まれていません。
12頭を生まれた順に並べると、G1を勝った3頭は2010年、2013年、2016年と、3年おきに生まれています。
| 生年 | 馬名 | 性 | 父 | 中央の成績 | 主な勝ち鞍 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2007 | トゥエルフスナイト | 牡 | キングカメハメハ | 1戦1勝 | ― |
| 2008 | ヴァイオラ | 牝 | キングカメハメハ | 未出走 | ― |
| 2010 | エピファネイア | 牡 | シンボリクリスエス | 12戦6勝 | 菊花賞、ジャパンカップなど重賞4勝 |
| 2011 | ロザリンド | 牝 | シンボリクリスエス | 5戦0勝 | ― |
| 2012 | クローディオ | セン | ハービンジャー | 31戦1勝 | ― |
| 2013 | リオンディーズ | 牡 | キングカメハメハ | 5戦2勝 | 朝日杯FS |
| 2014 | グローブシアター | 牡 | キングカメハメハ | 26戦7勝 | 比叡ステークスなど特別戦4勝(うち障害1) |
| 2015 | シーリア | 牝 | キングカメハメハ | 14戦2勝 | ― |
| 2016 | サートゥルナーリア | 牡 | ロードカナロア | 10戦6勝 | ホープフルS、皐月賞など重賞4勝 |
| 2017 | ファーストフォリオ | 牝 | キングカメハメハ | 18戦4勝 | 日高ステークスなど |
| 2018 | ルペルカーリア | 牡 | モーリス | 12戦2勝 | 博多ステークス |
| 2020 | テンペスト | 牝 | ロードカナロア | 8戦1勝 | ― |
12頭のうち中央で走ったのは11頭で、そのうち10頭が勝ち星を挙げ、合わせて142戦32勝です。勝てなかったのはロザリンドだけで、ヴァイオラは中央では走っていません。
3頭の父のうち、ロードカナロアはキングカメハメハの仔です。リオンディーズの父は、サートゥルナーリアから見ると父の父にあたります。母が同じで父が違う3頭は、半きょうだい(半兄弟)です。全きょうだいとの区別は、血統の入門記事で説明しています。
1986年以降の中央G1で数えると、3頭の子がG1を勝った母は、シーザリオを含めて3頭います。4頭以上の子がG1を勝った母はいません。
※本記事のデータは編集部による独自集計です。
| 母 | G1を勝った3頭の父 | 3頭の性別 | 母自身の中央G1 |
|---|---|---|---|
| ダンシングキイ | 3頭ともサンデーサイレンス | 牝・牡・牝 | なし |
| ハルーワスウィート | ディープインパクト ハーツクライ ディープインパクト | 牝・牡・牝 | なし |
| シーザリオ | シンボリクリスエス キングカメハメハ ロードカナロア | 牡・牡・牡 | 2005年 優駿牝馬 |
父が3頭とも違うのも、3頭とも牡馬なのも、母自身がG1を勝っているのも、シーザリオの組だけでした。3組のきょうだいの顔ぶれは、同じ母から出たG1馬を母ごとに並べた兄弟G1馬の一覧にまとめています。
娘の仔にも重賞馬がいます。ロザリンドの仔オーソリティ(父オルフェーヴル)は、2020年の青葉賞と、2020年と2021年のアルゼンチン共和国杯でG2を3勝し、2021年のジャパンカップでは2着に入りました。娘の仔からG1馬は、まだ出ていません。
2021年2月27日、シーザリオは繋養先のノーザンファームで、19歳で亡くなりました。その死を伝えた当時の記事は、角居勝彦厩舎が翌28日で解散することにも触れています。シーザリオと、G1を勝った3頭の息子を管理した厩舎です。
3頭の競走成績を横に並べました。
| エピファネイア | リオンディーズ | サートゥルナーリア | |
|---|---|---|---|
| 生まれた年 | 2010年 | 2013年 | 2016年 |
| 父 | シンボリクリスエス | キングカメハメハ | ロードカナロア |
| 通算成績 | 14戦6勝 (海外2戦を含む) | 5戦2勝 | 10戦6勝 |
| 2歳時 | 3戦3勝 | 2戦2勝 | 3戦3勝 |
| 中央G1 | 2013年 菊花賞 2014年 ジャパンカップ | 2015年 朝日杯FS | 2018年 ホープフルS 2019年 皐月賞 |
| 皐月賞 | 2着 | 5着(4位で入線し降着) | 1着 |
| 日本ダービー | 2着 | 5着 | 4着 |
| 主な騎手 | 福永祐一 | M.デムーロ | C.ルメール M.デムーロ |
| JRA賞 | ― | 2015年度 最優秀2歳牡馬 | 2019年度 最優秀3歳牡馬 |
3頭とも、2歳のうちは負けていません。デビューから最も早くG1に届いたのはリオンディーズで、2戦目の朝日杯FSでした。サートゥルナーリアはデビューから4連勝で、2019年の皐月賞まで勝っています。
エピファネイアの2つのG1は、不良馬場の菊花賞が5馬身差、ジャパンカップが4馬身差。ジャパンカップの日、主戦の福永祐一騎手は2着のジャスタウェイに乗っていました。
日本ダービーは、3頭とも勝てませんでした。2着、5着、4着。そのダービーを2024年に勝ったのが、エピファネイア産駒のダノンデサイルです。
また、肖像権・パブリシティ権に配慮し、特定の人物に類似させるための学習データ使用やプロンプト調整等はおこなっておりません。
[使用ツール・モデル]
・gpt-image-2
3頭の産駒が中央で走り始めた年は、エピファネイアが2019年、リオンディーズが2020年、サートゥルナーリアが2024年です。初年度の産駒は、それぞれ2017年、2018年、2022年に生まれています。2026年9月22日の時点で3歳を終えた世代は、エピファネイアが6世代、リオンディーズが5世代、サートゥルナーリアはまだ1世代です。
まず、通算の数字です。
| エピファネイア | リオンディーズ | サートゥルナーリア | |
|---|---|---|---|
| 産駒の中央初出走 | 2019年 | 2020年 | 2024年 |
| 中央で走った頭数 | 930頭 | 530頭 | 279頭 |
| 1勝以上した頭数(割合) | 395頭(42.5%) | 167頭(31.5%) | 99頭(35.5%) |
| 勝利数 | 696勝 | 336勝 | 176勝 |
| 勝率 | 8.8% | 7.5% | 11.6% |
| 複勝率 | 25.9% | 23.2% | 27.1% |
| 中央重賞(勝った頭数) | 31勝(22頭) | 13勝(7頭) | 9勝(7頭) |
| うち中央G1(勝った頭数) | 11勝(7頭) | 3勝(2頭) | 2勝(2頭) |
| 最初の重賞勝ち | 2020年 桜花賞 | 2021年 京都2歳S | 2025年 毎日杯 |
| 最初のG1勝ち | 2020年 桜花賞 | 2024年 天皇賞(春) | 2025年 朝日杯FS |
走った頭数でも勝ち星でも、エピファネイアが大きく上回っています。産駒の世代の数が3頭で違うため、頭数や勝ち星の差には世代の数の差が混ざっています。3頭で最も高い勝率11.6%も、サートゥルナーリアのまだ3世代ぶんの数字です。
世代の数の差をならすため、世代ごとに「3歳の12月末までに中央で1勝以上した馬の割合」を出しました。ここでは勝ち上がり率と呼びます。デビューの早い世代ほど数字が積み上がる偏りを、3歳の年末で打ち切って抑える集計です。同じ条件で、その世代に中央で走った全馬の割合も出し、比べる基準として添えました。
| 生年 | エピファネイア | リオンディーズ | サートゥルナーリア | 中央全体 |
|---|---|---|---|---|
| 2017年 | 38.1%(51/134) | ― | ― | 31.1%(1,473/4,739) |
| 2018年 | 38.3%(49/128) | 34.3%(37/108) | ― | 31.2%(1,478/4,741) |
| 2019年 | 39.8%(47/118) | 35.1%(27/77) | ― | 31.5%(1,473/4,679) |
| 2020年 | 42.2%(57/135) | 20.0%(18/90) | ― | 30.7%(1,473/4,804) |
| 2021年 | 38.6%(54/140) | 22.1%(17/77) | ― | 30.2%(1,469/4,867) |
| 2022年 | 45.0%(63/140) | 30.8%(24/78) | 42.9%(54/126) | 30.5%(1,498/4,904) |
| 3歳を終えた世代の合計 | 40.4%(321/795) | 28.6%(123/430) | 42.9%(54/126) | ― |
| 同じ世代の中央全体 | 30.8%(8,864/28,734) | 30.8%(7,391/23,995) | 30.5%(1,498/4,904) | ― |
エピファネイアは6世代すべてで38%を超え、合わせて40.4%でした。どの世代でも中央全体を上回っています。サートゥルナーリアの初年度も42.9%で、同じ世代の中央全体の30.5%より12ポイントあまり高い数字です。
リオンディーズは、初年度の2018年生まれが34.3%、次の世代も35.1%で、ここまでは中央全体を上回っていました。ところが2020年生まれは20.0%、2021年生まれは22.1%まで下がり、5世代を合わせると28.6%です。3頭のうち、中央全体の30.8%に届かなかったのはリオンディーズだけでした。
勝ち星を馬場と距離に分けると、3頭の産駒の違いがはっきりします。距離別の割合は、障害戦を除いた平地の勝ち星に対するものです。
| エピファネイア | リオンディーズ | サートゥルナーリア | |
|---|---|---|---|
| 芝の勝利(全勝利に占める割合) | 587勝(84.3%) | 176勝(52.4%) | 149勝(84.7%) |
| ダートの勝利(同) | 95勝(13.6%) | 153勝(45.5%) | 27勝(15.3%) |
| 〜1300m | 44勝(6.5%) | 90勝(27.4%) | 25勝(14.2%) |
| 1301〜1899m | 392勝(57.5%) | 191勝(58.1%) | 104勝(59.1%) |
| 1900〜2100m | 166勝(24.3%) | 33勝(10.0%) | 32勝(18.2%) |
| 2101〜2700m | 79勝(11.6%) | 11勝(3.3%) | 15勝(8.5%) |
| 2701m〜 | 1勝(0.1%) | 4勝(1.2%) | 0勝 |
| 平地の勝ち鞍の平均距離 | 1,798m | 1,595m | 1,703m |
| 重賞勝ちの馬場 | 31勝すべて芝 | 芝11勝・ダート2勝 | 9勝すべて芝 |
数字を並べてみて、いちばん評価に迷ったのはリオンディーズでした。勝ち上がり率は3頭で唯一、中央全体を下回っているのに、G1は3勝しています。
産駒は勝ち星の45.5%をダートで挙げ、平地の勝ち星の27.4%が1300m以下です。平均距離は1,595m。3頭のなかで最も短く、最もダートに寄っています。
それでいて、G1を勝った2頭の舞台は、その平均よりずっと長い距離でした。テーオーロイヤルは3200mの天皇賞(春)、ミュージアムマイルは2000mの皐月賞と2500mの有馬記念です。リオンディーズの産駒が2701m以上の平地戦に出たのは6回しかなく、6回ともテーオーロイヤルでした。その6走で、ダイヤモンドステークスを2度、阪神大賞典と天皇賞(春)を1度ずつ勝っています。
勝ち鞍の数字に従えば、短めの距離とダートに寄った種牡馬です。G1の勝ち方だけが、その見立てから外れています。G1になると、舞台の距離が延びる。
エピファネイアとサートゥルナーリアは、どちらも勝ち星の8割あまりが芝で、重賞勝ちはエピファネイアの31勝、サートゥルナーリアの9勝がすべて芝です。平均距離はエピファネイアの1,798mが最も長く、平地の勝ち星のほぼ4分の1を1900〜2100mで挙げています。サートゥルナーリアは1,703mで、1300m以下の勝ち星の割合がエピファネイアの倍ほどあります。芝の勝率は、サートゥルナーリアの13.4%がエピファネイアの9.8%を上回りました。
G1を勝った産駒の性別も違います。エピファネイア産駒のG1は、11勝のうち牝馬が6勝、牡馬が5勝です。リオンディーズの3勝とサートゥルナーリアの2勝は、すべて牡馬が挙げました。
年齢で分けると、エピファネイア産駒の勝率は2歳の13.6%が最も高く、5歳以上では3.8%まで下がります。G1の11勝のうち8勝も3歳でした。それでも、5歳のブローザホーンが宝塚記念を、6歳のテンハッピーローズがヴィクトリアマイルを勝っています。勝ち上がった馬ほど上のクラスで走るので、年齢とともに勝率が下がるのは普通のことです。
産駒が中央で走り始めてから3年で区切ると、重賞の数は次のようになります。
| 数えた期間 | 中央重賞 | うち中央G1 | |
|---|---|---|---|
| エピファネイア | 2019〜2021年 | 10勝 | 7勝 |
| リオンディーズ | 2020〜2022年 | 3勝 | 0勝 |
| サートゥルナーリア | 2024〜2026年 (9月22日まで) | 9勝 | 2勝 |
サートゥルナーリアの3年目は9月22日までしか数えていませんが、重賞はエピファネイアの10勝にあと1つ。産駒の勝ち星も、1年目の2024年は27勝、2025年は76勝で、2026年は9月22日までの73勝で前の年に迫っています。リオンディーズは3年で重賞3勝にとどまり、最初のG1は5年目の2024年、テーオーロイヤルの天皇賞(春)でした。
2026年度の種付料は、エピファネイアが1500万円、サートゥルナーリアが1000万円、リオンディーズが500万円です。いずれも、受胎を確かめてから支払う額です。
母の父で分けると
3頭の産駒1,739頭は、母の父によって重賞勝ち馬の割合に差があります。表には主な母の父を選び、最後の行を3頭の産駒全体にしました。
| 母の父 | 走った頭数 | 重賞勝ち馬(割合) | 重賞勝ち | G1勝ち |
|---|---|---|---|---|
| ディープインパクト | 247頭 | 6頭(2.4%) | 6勝 | 0勝 |
| キングカメハメハ | 93頭 | 2頭(2.2%) | 4勝 | 3勝 |
| ハーツクライ | 90頭 | 6頭(6.7%) | 11勝 | 6勝 |
| アグネスタキオン | 71頭 | 0頭(0%) | 0勝 | 0勝 |
| ダイワメジャー | 68頭 | 1頭(1.5%) | 1勝 | 0勝 |
| ゼンノロブロイ | 62頭 | 1頭(1.6%) | 1勝 | 0勝 |
| クロフネ | 53頭 | 0頭(0%) | 0勝 | 0勝 |
| マンハッタンカフェ | 46頭 | 1頭(2.2%) | 4勝 | 1勝 |
| サクラバクシンオー | 24頭 | 2頭(8.3%) | 3勝 | 0勝 |
| 3頭の産駒全体 | 1,739頭 | 36頭(2.07%) | 53勝 | 16勝 |
母の父がハーツクライの90頭からは、重賞勝ち馬が6頭出ています。割合は6.7%で、全体の2.07%の3倍を超えます。しかも6頭の父は、3兄弟が2頭ずつ。エピファネイアからエフフォーリアとジョスラン、リオンディーズからインダストリアとミュージアムマイル、サートゥルナーリアからフェスティバルヒルとカヴァレリッツォが出ました。G1の6勝も、エフフォーリアが3勝、ミュージアムマイルが2勝、カヴァレリッツォが1勝です。割合だけなら24頭から2頭のサクラバクシンオーも高く出ますが、G1を勝った馬はいません。
ディープインパクトの牝馬からは247頭が走り、重賞勝ち馬は6頭で2.4%でした。G1はまだ勝っていません。なお、母の父キングカメハメハの93頭は、すべてエピファネイアの産駒です。リオンディーズとサートゥルナーリアは、父系にキングカメハメハがいます。
ハーツクライもディープインパクトも、父はサンデーサイレンスです。そして3兄弟の母シーザリオの父スペシャルウィークも、サンデーサイレンスの仔でした。3兄弟の産駒から見ると、サンデーサイレンスは父の側の4代前にいます。ハーツクライやディープインパクトの牝馬と配合すれば、母の側の3代前にも入ります。どちらの牝馬を選んでも、サンデーサイレンスの4×3という同じ形です。
血の濃さは同じなのに、重賞勝ち馬の割合は2.4%と6.7%に分かれました。3兄弟の父は、どれもサンデーサイレンスの仔ではありません。こうした種牡馬は非サンデー系の種牡馬を扱った記事にまとめています。
4×3の配合がどう語られてきたかは、下の記事で扱っています。
また、肖像権・パブリシティ権に配慮し、特定の人物に類似させるための学習データ使用やプロンプト調整等はおこなっておりません。
[使用ツール・モデル]
・gpt-image-2
孫の代で最初に勝ったG1は、2020年の桜花賞でした。勝ったデアリングタクトはエピファネイアの初年度産駒で、エピファネイア産駒にとってもこれが初めての重賞勝ちです。
次の表は、シーザリオから孫までの中央G1馬15頭を、最初にG1を勝った順に並べたものです。
| 馬名 | 続柄(父) | 勝った中央G1 | 勝ち数 |
|---|---|---|---|
| シーザリオ | 本人(スペシャルウィーク) | 2005年 優駿牝馬 | 1 |
| エピファネイア | 子(シンボリクリスエス) | 2013年 菊花賞 2014年 ジャパンカップ | 2 |
| リオンディーズ | 子(キングカメハメハ) | 2015年 朝日杯FS | 1 |
| サートゥルナーリア | 子(ロードカナロア) | 2018年 ホープフルS 2019年 皐月賞 | 2 |
| デアリングタクト | 孫(エピファネイア) | 2020年 桜花賞・優駿牝馬・秋華賞 | 3 |
| エフフォーリア | 孫(エピファネイア) | 2021年 皐月賞・天皇賞(秋)・有馬記念 | 3 |
| サークルオブライフ | 孫(エピファネイア) | 2021年 阪神JF | 1 |
| ステレンボッシュ | 孫(エピファネイア) | 2024年 桜花賞 | 1 |
| テーオーロイヤル | 孫(リオンディーズ) | 2024年 天皇賞(春) | 1 |
| テンハッピーローズ | 孫(エピファネイア) | 2024年 ヴィクトリアマイル | 1 |
| ダノンデサイル | 孫(エピファネイア) | 2024年 日本ダービー | 1 |
| ブローザホーン | 孫(エピファネイア) | 2024年 宝塚記念 | 1 |
| ミュージアムマイル | 孫(リオンディーズ) | 2025年 皐月賞・有馬記念 | 2 |
| カヴァレリッツォ | 孫(サートゥルナーリア) | 2025年 朝日杯FS | 1 |
| ロデオドライブ | 孫(サートゥルナーリア) | 2026年 NHKマイルカップ | 1 |
| 計 | 15頭 | 22 |
孫の11頭のうち7頭がエピファネイアの産駒で、勝ち数は11勝です。リオンディーズとサートゥルナーリアの産駒は2頭ずつで、3勝と2勝でした。2021年にはエフフォーリアが皐月賞、天皇賞(秋)、有馬記念を勝ち、この年の年度代表馬に選ばれています。3勝とも横山武史騎手が乗りました。
最も多く勝ったのは2024年で、4月から6月までの間に5勝しています。14番人気のテンハッピーローズがヴィクトリアマイルを、9番人気のダノンデサイルが日本ダービーを勝ったのも、この年でした。ダービーと血統の関係は日本ダービーの血統を扱った記事に譲ります。
4月28日の天皇賞(春)は、1着がリオンディーズ産駒のテーオーロイヤル、2馬身差の2着がエピファネイア産駒のブローザホーンでした。父どうしが兄弟で、1着と2着はいとこ同士。
2025年の有馬記念も、1着がリオンディーズ産駒のミュージアムマイル、3着がエピファネイア産駒のダノンデサイルでした。ミュージアムマイルの母ミュージアムヒルは、サートゥルナーリアとの間にもフェスティバルヒルを産み、この馬も重賞を勝っています。同じ母の仔が、兄弟の種牡馬それぞれとの間で重賞を勝ったことになります。
2026年は5月10日のNHKマイルカップを、サートゥルナーリア産駒のロデオドライブが1番人気で勝ちました。3月のフラワーカップを勝ったスマートプリエールはエピファネイア産駒で、このレースは21年前にシーザリオが3連勝を決めたレースでもあります。中央のG1には数えていませんが、ダノンデサイルは2025年に海外のドバイシーマクラシックも勝っています。
重賞まで広げると、一族の中央重賞は67勝です。年ごとに見ると、孫の勝ち星は2020年から一気に増えています。
| 年 | シーザリオ | 子 | 孫 | うち中央G1 |
|---|---|---|---|---|
| 2005年 | 2 | ― | ― | 1 |
| 2012年 | ― | 1 | ― | ― |
| 2013年 | ― | 2 | ― | 1 |
| 2014年 | ― | 1 | ― | 1 |
| 2015年 | ― | 1 | ― | 1 |
| 2018年 | ― | 1 | ― | 1 |
| 2019年 | ― | 2 | ― | 1 |
| 2020年 | ― | 1 | 5 | 3 |
| 2021年 | ― | ― | 9 | 4 |
| 2022年 | ― | ― | 3 | ― |
| 2023年 | ― | ― | 4 | ― |
| 2024年 | ― | ― | 12 | 5 |
| 2025年 | ― | ― | 12 | 3 |
| 2026年(9月22日まで) | ― | ― | 11 | 1 |
| 計 | 2 | 9 | 56 | 22 |
2006年から2011年と、2016年、2017年は、一族の重賞勝ちがありません。エピファネイアがデビューする前の年と、リオンディーズが最後に走った2016年から、サートゥルナーリアがデビューする前の年までです。2020年からは毎年勝っていて、2024年と2025年は孫だけで12勝ずつ、2026年も9月22日までに11勝しました。
ひ孫の代も走り始めています。エフフォーリアの初年度産駒は2024年生まれで、2026年6月7日にジョドレルバンクが初勝利を挙げました。9月22日までに中央で走った42頭のうち12頭が1勝ずつしていますが、重賞はまだです。
牝馬から始まる一族の話は、ほかの名門についても書いています。
子と孫の中央G1を母ごとに合計すると、上位には名種牡馬の母が並びます。1986年以降の中央の平地G1で数えて、合計の多い主な牝馬を並べたのが次の表です。
| 牝馬 | 子の中央G1 | 孫の中央G1 | 合計 |
|---|---|---|---|
| ウインドインハーヘア (ディープインパクトの母) | 7勝 | 78勝 | 85勝 |
| Wishing Well (サンデーサイレンスの母) | 0勝 | 71勝 | 71勝 |
| マンファス (キングカメハメハの母) | 2勝 | 27勝 | 29勝 |
| ゴールデンサッシュ (ステイゴールドの母) | 0勝 | 25勝 | 25勝 |
| レディブラッサム (ロードカナロアの母) | 4勝 | 21勝 | 25勝 |
| Kelley's Day (ブライアンズタイムの母) | 0勝 | 24勝 | 24勝 |
| シーザリオ | 5勝 | 16勝 | 21勝 |
| スカーレットブーケ | 9勝 | 11勝 | 20勝 |
| アイリッシュダンス (ハーツクライの母) | 1勝 | 17勝 | 18勝 |
| アドマイヤグルーヴ | 2勝 | 15勝 | 17勝 |
| シュガーハート (キタサンブラックの母) | 7勝 | 10勝 | 17勝 |
表でシーザリオより上にいる6頭は、どれも自身は中央G1を勝っていません。ウインドインハーヘアは子のG1が7勝で、孫の代になって78勝まで伸びています。サートゥルナーリアは、父ロードカナロアの母レディブラッサムから見ても孫にあたるので、この表ではレディブラッサムの孫の欄にも、シーザリオの子の欄にも入っています。
自身も中央G1を勝ち、その子も中央G1を勝った牝馬に絞ると、1986年以降で10頭。
| 牝馬 | 自身の中央G1 | 子 | 孫 | 子と孫の合計 |
|---|---|---|---|---|
| シーザリオ | 2005年 優駿牝馬 | 5勝 | 16勝 | 21勝 |
| アドマイヤグルーヴ | 2003年・2004年 エリザベス女王杯 | 2勝 | 15勝 | 17勝 |
| アグネスフローラ | 1990年 桜花賞 | 2勝 | 10勝 | 12勝 |
| エアグルーヴ | 1996年 優駿牝馬 1997年 天皇賞(秋) | 2勝 | 6勝 | 8勝 |
| フサイチパンドラ | 2006年 エリザベス女王杯 | 8勝 | 0勝 | 8勝 |
| ビワハイジ | 1995年 阪神3歳牝馬S | 7勝 | 0勝 | 7勝 |
| ベガ | 1993年 桜花賞・優駿牝馬 | 3勝 | 3勝 | 6勝 |
| アパパネ | 2009〜2011年に5勝 | 1勝 | 0勝 | 1勝 |
| ジェンティルドンナ | 2012〜2014年に6勝 | 1勝 | 0勝 | 1勝 |
| アユサン | 2013年 桜花賞 | 1勝 | 0勝 | 1勝 |
この10頭のなかでは、シーザリオの21勝が最も多く、次がアドマイヤグルーヴの17勝です。自身、子、孫の3代続けて中央G1を勝ったのは、シーザリオ、アドマイヤグルーヴ、アグネスフローラ、エアグルーヴ、ベガの5頭でした。エアグルーヴの子の2勝は、娘のアドマイヤグルーヴが挙げたものです。
ひ孫まで数えると、エアグルーヴは子が2勝、孫が6勝、ひ孫が17勝で合わせて25勝になり、シーザリオの21勝を上回ります。シーザリオが上に立つのは、子と孫の2代で数えたときです。
比べたのは、1986年以降の中央G1に限っています。それより前に大レースを勝った母、たとえば1983年の優駿牝馬を勝ったダイナカールは、今回の物差しには入っていません。
血統を数字で比べるのとは別に、AIとプロの馬券師の判断を組み合わせて買い目を出す予想サイトもあります。買い目を編集部で購入し、的中と払戻まで記録した検証記事です。
Q. シーザリオの子供(産駒)でG1を勝った馬は?
エピファネイア(2013年菊花賞・2014年ジャパンカップ)、リオンディーズ(2015年朝日杯FS)、サートゥルナーリア(2018年ホープフルS・2019年皐月賞)の3頭で、いずれも牡馬です。父がそれぞれ違う半兄弟にあたります。
Q. エピファネイアとリオンディーズとサートゥルナーリアは全兄弟ですか?
母は3頭ともシーザリオですが、父が違うので半兄弟(半きょうだい)です。なお、リオンディーズの父キングカメハメハは、サートゥルナーリアの父ロードカナロアの父にあたります。
Q. シーザリオの孫でG1を勝った馬は何頭いますか?
2026年9月22日時点で11頭が、中央G1を合わせて16勝しています。エピファネイア産駒が7頭で11勝、リオンディーズ産駒が2頭で3勝、サートゥルナーリア産駒が2頭で2勝です。エフフォーリア、ダノンデサイル、テーオーロイヤル、ミュージアムマイル、ロデオドライブなどがいます。
Q. エピファネイア産駒は早熟ですか?得意な距離や馬場は?
得意なのは芝で、勝ち星の84.3%を占めます。距離は1301〜1899mの勝ち星が平地の57.5%です。勝率は2歳の13.6%が最も高い一方、宝塚記念とヴィクトリアマイルは5歳と6歳の産駒が勝っていて、年を重ねてからG1を取る馬もいます。
Q. シーザリオが「日米オークス馬」と呼ばれるのはなぜですか?
2005年に日本の優駿牝馬(オークス)と、アメリカのアメリカンオークスを勝ったからです。アメリカンオークスは、日本で調教された馬が初めて勝ったアメリカのG1でした。
シーザリオは2005年に日米のオークスを勝ち、6戦5勝で競走生活を終えました。中央に登録された仔は12頭で、父の違う3頭の牡馬、エピファネイア、リオンディーズ、サートゥルナーリアがG1を勝っています。1986年以降の中央G1で数えると、3頭の子がG1を勝った母は3頭だけで、父がすべて違うのはシーザリオの組だけでした。
3頭の産駒は中央の重賞を合わせて53勝し、孫の代から11頭のG1馬が出ました。子と孫の中央G1は21勝で、自身も中央G1を勝った牝馬のなかでは、1986年以降で最も多い数字です。ただし、ひ孫まで数えればエアグルーヴの25勝が上にいます。
種牡馬としての3頭の差は、勝ち上がり率と、芝とダートの比率に出ました。エピファネイアは勝ち星の84.3%が芝で、3歳の12月末までの勝ち上がり率は40.4%と、6世代とも中央全体を上回っています。リオンディーズは勝ち星の45.5%がダートで、平均距離も1,595mと短いのに、G1の3勝は2000m、2500m、3200mでした。勝率が最も高いのは、走り始めて3年で重賞を9勝したサートゥルナーリアの11.6%です。
母の父で分けると、ハーツクライの牝馬90頭から重賞勝ち馬が6頭(6.7%)出ています。
孫が挙げた中央G1の16勝のうち、13勝はシーザリオが2021年2月27日に亡くなったあとのものです。